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***山田としお メールマガジン No.441***
2020年4月17日発行
山田としお公式ホームページ
(https://www.yamada-toshio.jp/)
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食料・農業・農村基本計画と、独占禁止法違反問題で質疑
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1.新型コロナウイルスを撃退しましょう
新型コロナウイルスの蔓延で、皆さん、大変不自由な生活だった
り、お仕事に取り組んでおいででしょう。私も、慣れないマスクを
欠かさず、できるだけ外出を避け、会食にも参加せず、その分早め
に帰宅しています。
それにしても、国会は、予算、そして法案の審議がありますので、
ほぼ連日、党の会合に、そして委員会に出席しています。そうした
中で、私は、農林水産委員会で食料・農業・農村基本計画について
質疑し、また、決算委員会でずっと前から頭から離れずにいた「J
A土佐あき」の独占禁止法違反で処分され、現在最高裁に上告して
いる問題について、質疑に立ちました。あともう一つ、これは5月
に入ってからになりますが、種苗法の改正に関して、農林水産委員
会で質疑する予定でいます。
2.基本計画についての私の問題意識は4項目
基本計画については、その改訂作業に当たった党の農林水産基本
政策検討委員会の事務局長として、昨年夏の参議院議員選挙が終わ
ってから、委員会だけで10数回にわたり、その司会役を務めました。
検討委員会と並行して、党の少人数幹部会(インナー会合)、党の
農林役員会、そして、農林合同部会と、ほぼ全部出席の形で検討に
携わりました。その立場もあって、私は、農林水産委員会で、代表
して質疑に立ちました。
検討委員会の幹部として、検討に携わってきた立場からしても、
策定された基本計画を否定できるものではありませんが、私の問題
意識は、大きく区切って4項目でした。
【農業者の高齢化と減少に対応できる市町村・県センターの充実が
必要】
一つは、正月に帰省した際の田舎の新年会で、各旧村の集落の皆
さんからいただいた圧倒的な声は、地域の農業者の高齢化と世話役
の不在により、地域の水田の用水の漏水や畦の崩壊の問題に手がつ
かないでいるという悲鳴に近い声でした。
そのためにも、市町村や県のセンターの担当者の充実が求められ
ていることです。
【求められるのは新規就農者の就農支援の強化】
二つは、新規就農者の増加に向けて、とりわけ、農業高校等の卒
業生の就農率が卒業者の3%程度であり、就農する卒業生が全国で80
0人程度しかいないことの対策の強化です。私は、農業高校でス
マート農業の実習経験を積むことや、就農支援金の充実等を訴えま
した。
また、基本計画には、中小規模農家や家族農業の経営参画を大事
にすることを明記しましたが、集落営農の編成も極めて大切であり、
かつ必要です。
【全く納得できない経団連の株式会社の農地所有による農業参入の
提言】
三つは、これは全く納得のいかないことなのですが、経団連が、
株式会社の農地所有による農業参入を大々的に提言し、それを受け
て、規制改革推進会議もそれを提言していることです。これは大問
題です。
なお、この点について、答弁に立った江藤農林水産大臣は、「農
業を次世代につなぐ、そして国民の食の安全保障を確保する、その
ために最低限のバックグランドとして、地域の財産として農地を守
ります」と明快に答えていただきました。
【不可欠な経営所得安定対策の充実】
四つは、経営所得安定対策の充実が不可欠であり、そしてヨーロ
ッパと比較すると国による所得補填の割合も低いということです。
確かに日本の水田地帯は基盤整備予算が必要であり、その分、畑作
中心のヨーロッパとは事情が異なるとしても、日本の所得補填の割
合は圧倒的に低いのです。ヨーロッパの国々は、農業者の所得の90
%程度を補填しており、一方、我が国は、35%程度の補填でしかない
のです。
3.規制改革推進会議により仕組まれた「JA土佐あき」の処分
そして、4月13日には、私が3年前に同じ決算委員会で質疑したも
のの、まだ事態が進んでいなかったこともあり、十分なやり取りが
できず、その後の展開に大変悔しい思いをした「JA土佐あきの独
禁法違反」という全く不当な扱いについて、改めて決算委員会で質
疑しました。
【「組合は、事業を行うに当たっては、組合員に対してその利用を
強制してはならない」が農協法に盛り込まれ、同時に全国農協中央
会廃止の法改正が行われた】
日本一のナスの産地であるJA土佐あきの独占禁止法違反問題は、
まさに、「仕組まれた」と考えざるを得ない事々だったのです。
というのは、規制改革推進会議が、日ごろから、農協批判を主張
してやまない委員を農業ワーキンググループの委員として追加し、
彼らに、農協攻撃の意見を出させ、それを規制改革推進会議の答申
とし、なんと、JAによる組合員に対する農協利用の強制問題があ
るとして、農協法の改正を提起したのです。これを受けた政府は、
「組合は、事業を行うに当たっては、組合員に対してその利用を強
制してはならない」(農協法10条の2)とする新しい規定を盛り込
んだのです。
なお、この時には、何と、ことごとくうるさいJA全中は農協法
から除外され、JA全中は、一般社団法人にされてしまったのです。
【JA土佐あきは、最高裁へ上告】
そして、全国のナスの出荷の40%のシェアを誇っていたJA土佐
あきも、JAを利用しないナスの部会員に圧力をかけたとして、公
正取引委員会から排除措置命令が出されたのです。そして、その扱
いをめぐる裁判では、処分の取り消しを求めるJA土佐あきの訴え
が地裁・高裁でそれぞれ棄却され、それに納得できないJA土佐あ
き(合併してJA高知県)は最高裁へ上告したのです。
なお、JA全中の農協法からの除外については、なぜ反対できな
かったのか、ということがあるのですが、当時政府は、准組合員の
JA利用を規制する条文と一緒にJA全中の農協法からの除外を迫
ってきており、JAの根幹である准組合員も含む組合員制度を守る
ために、苦渋の決断をしたのでした。
【象徴として取り上げられたJA土佐あき】
まさに、これらの改編の中で、JA土佐あきが象徴として取り上
げられたのです。広域合併のもとで、各園芸支部の選果施設の利用
と一体となった共同販売について、どうしても生ずる系統外販売問
題と選果施設等の利用料の徴収問題等が複雑に関連したのです。選
果施設の利用は、JAの共同販売における大きな基点であり、これ
を崩す動きをJAは到底容認できないのです。まして、共選施設を
運営するJAや園芸部会にとっては、経営や営農を破綻させかねな
い重要事なのです。
【全く納得できない規制改革推進会議の動き】
JA以外に販売する組合員農家には、それなりの理由があり、ま
た、一定の範囲内で、それを容認することもあり、各JAは、大き
な苦労を重ねてきているのです。
しかし、根底にある問題は、同時期に行われた規制改革推進会議
の答申を受けて行われた、「農協は自ら行う事業に関して組合員に
その利用を強制してはならない」という新しい農協法の条文が追加
されたことです。これでは、JAは、程度の問題はありますが運営
できません。何のための協同組合なのか、ということになります。
JA土佐あきはもちろんですが、全国のJAにとっても到底納得で
きないことなのです。
【JAグループは徹底して理論武装と協同の強化と実践を強めよう】
これらの事々は、まさに協同の取り組みの根幹にかかわる問題で
あり、この取り組みについて、もっともっと議論を深め、協同組合
の基本課題として理論武装し、協同の強化と実践の中で解決してゆ
かねばならないのです。これは、JA土佐あきに限らず、全国のJ
Aが抱える問題でもあります。JA土佐あきは、その一石を投じた
のであり、JAグループは、日常活動の強化と理論武装を行わなけ
ればならないのです。まさに、協同組合の闘いなのです。
【質疑後、多くの議員から激励受ける】
質疑を終えた後、先輩議員から、大切な質疑だったと激励されま
した。また、若手の議員からは、自分の県でもその問題があり、身
につまされて聞いていたとの声をかけられました。
頑張りましょう。頑張ります。
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