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山田としお メールマガジン425号
全国各地を精力的に訪ねています

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    ***山田としお メールマガジン No.425***


                     2019年5月20日発行

                山田としお公式ホームページ
            (https://www.yamada-toshio.jp/)

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       全国各地を精力的に訪ねています

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【広島‐中山間地の農業を元気にする政策を】
 中央会の籾田会長さんと一緒に2日間440キロを走り、県内のJA
を訪問した。広島は、中国自動車道が山地の脊梁を走っているが、
平成26年の豪雨による土砂災害の崩壊跡が、一面の緑の中でいまだ
に茶色に残っている。加えて、瀬戸内に面する河川が氾濫した地域
では、1年前の豪雨による洪水被害で、果実連の工場が水没し、住
宅が土砂に沈んだが、河川の浚渫と河岸の修理が続いている。
 しかし、高速道路から見える谷々の集落の赤色の石州瓦の家々は
美しい。とりわけ、庄原〜尾道〜福山へ向かう谷間の平野の集落は
美しい。これらは、長い年月の協同の取り組みの中での営農と生活
で造られたものだ。ここで、競争力のある経営をつくれというのか。
これらは、家族経営と集落の協同の取り組みがあり、それを支える
JA等がつくり上げたものだ。もちろん、経営の大小もある、街に
働きに行く人もいる、当然だ。しかし、その中で、協同の営みがあ
るのだ。
 他方、瀬戸内に面する街々は、山々が海岸に迫り、海はカキ養殖
のイカダが静かに漂っている。
 まさに、山と盆地と海の広島県は、多様性に富んでいる。そのな
かで、先の大戦で空襲と原爆で焼けた呉と広島は、大通りがまっす
ぐに整備されているが、一方で、山にある中山間地の農業をどうす
るのか、しっかり政策を確立しなければならない。


【奈良‐1県1JAで「まほろばキッチン」が大人気】
 改元の連休明けは、奈良県を訪ねた。京都駅から近鉄奈良へ向か
う、奈良盆地のレンゲの花と、復旧された広大な庭園に囲まれた平
城京の大極殿が見事だ。
 まず、再選された旧知の荒井知事を表敬し、選挙戦を終えられた
知事から、しっかり各県ごとの選挙実務の担当者を定めて取り組む
ことの重要性など、親身に指摘いただいた。感謝です。
 JAならけんは、かつては42JAがあったが、20年前に、1県1J
Aとなった。そこで、奈良・天理・山辺の総括本部を訪ね、皆さん
に挨拶した。JAならけんの各支部は、総括事業機能と施設を持っ
た形であり、農業機械整備や育苗・種子センター等を備えている。
地域に存在する以上、各種施設を備えておかねばならないというこ
とだ。県内数か所に置いた「まほろばキッチン」は、地元産の野
菜・食肉類も豊富で、出荷の生産農家も元気が良く来店者も多かっ
た。職員の皆さんは、男性・女性問わず県本部勤めも経験されてお
り、皆さん明るく、自信を持っておいでの様子で、一体感にあふれ
ていた。


【愛知‐JAあいち尾東で東大・鈴木教授から思わぬ激励】
 愛知県のJAあいち尾東は、合併20周年記念大会の記念講演で、
東大の鈴木宣弘教授を招いていた。私は、是非、先生の講演を聞き
たいという思いもあり、式典に出席させていただき、挨拶もさせて
いただいた。
 鈴木先生のお話は、多方面にわたったが、大変刺激的で、「独占
企業と多国籍企業が、自分で金を儲けたいためにJA解体を主張し
ているのであり、それを規制改革推進会議が受け止め、主張してい
るのであって、JAの自己改革と、規制改革推進会議の改革は全く
異なるものだ」(鈴木先生)と過激だった。そして、「命をかけてこ
れらに頑張る。これから6年かけて取り組むことが山田俊男さんの
使命だ」とまでおっしゃった。
 そして、「地域を守る、国を守る、生業を守る。そのことに自信
を持ち、加えて、安全・安心を基本に、長い歴史の視点で構想を描
き、着実に一歩ずつ進むことが必要だ」と締めくくられた。まさに、
私への提言であり注文だった。感謝、感謝です。


【熊本‐女性部の「明日 輝くために」の歌声に感動】
 それにしても阿蘇山系は美しい。噴火地域は除き、全山緑。圃場
も、隅々まで耕されている。そして、訪問したいずれのJAもお集
まりいただいた皆さんは、農業者が中心だ。中央会の宮本会長と経
済連の加耒会長のご同道をいただいた。
 阿蘇から菊池・鹿本と、圃場がきれいに、ことごとく耕作されて
いる風景を見た。すごい生産力であり感動的だ。
 玉名市は、「金栗四三」のゆかりの地で、旗がなびいていた。
 JAでの集まりは、農業者が多い。皆さん、農業の将来を支える
人だ。そして、農業の経営所得安定対策についての日米・日仏の比
較について大変関心が深い。当然だ。我々は、各国、とりわけ、地
域重視、家族農業重視の農業国であるフランスやスイス等の取り組
みを、もっともっと評価すべきである。農業者の農業所得に占める
補助金の割合も、日本は30%だが、フランスは95%、イギリスは91%、
ドイツは70%だ。いかにヨーロッパの国々が農業、とりわけ家族農
業を大事にしているかがわかる。なお、ちなみに米国は35%と、日
本と同水準である(東大の鈴木先生のグループによる報告書)。
 私のこの報告に対して、皆さん大きな関心を示していただき、終
わってからの拍手も多く、握手の際も「頑張りましょう」と声をか
けていただいた。ありがとうございました。
 天草は、本当に濃い緑に包まれた島で、遠くに見える多くの島々
も海に島影を映し、美しい景観だ。そして、農業と言えば、島内の
谷間にわずかの狭い圃場が見え隠れするという厳しい条件下にある。
JAあまくさを訪ねたが、ちょうど女性部の会合が開かれており、
皆さんの「明日 輝くために」の歌声が聞こえてきた。天草四郎の
祈りの島での合唱は、皆さんの心の協同を示すようで感動的だった。
 また、熊本平野の中心地では地震の被害が大きく、復旧はまだ6
割程度らしいのだが、圧倒的な園芸作物の産地として復興が進んで
いる。そして、熊本市から球磨川渓谷に沿って人吉へ向かった。夏
は川下りで有名で、当日も、川船が何艘も流れている。小さな村々
は、木材の集積地で、製材が山のように積まれているのもいい。


【宮崎‐経営所得安定対策の強化について要請を受ける】
 宮崎県への訪問も、晴天で、緑が美しい。中央会の福良会長さん
にご同道いただいた。
 JAえびの市から、JAこばやし、JA都城、そしてJA宮崎中
央へと山地から平野部へ向かったが、圧倒的な畑作地帯で、きちん
とマルチをかけて作物が栽培されている。もっとも、ニュージーラ
ンドのキウイフルーツの会社が、平屋の超大規模ハウスを建設し、
すべて外国人就労者で栽培を行っているというのは、その大規模さ
と合わせて異様な感じを受けた。こうした形がさらに進むのだろう
か。ともかく異様だ。
 JA串間市大束は、かんしょの産地で、見事にきれいに栽培され
ている圃場を見ることが出来た。生産者の皆さん中心にお集まりい
ただいていたが、若い女性農業者も含め、皆さん元気で自信にあふ
れていた。作物で、きちんと所得を実現しているという誇りなのだ
ろう。
 口蹄疫で大変な苦労をされた。しかし、徹底して対策に取り組ま
れ、これを乗り越えられた。その結果が、鹿児島県と覇権を競う肉
牛日本一の誇りである。昭和35年当時の農業生産額は全国35位だっ
たが、今や全国5位という。ことごとく圃場はきれいに耕作され作
付けされている。
 JA高千穂地区は、本当に秘境で、かつ本当に美しい。そして、
濃い緑、明るい緑がきれいです。一方で、困難な、そして苦労の多
い状況をよく見ておられるから、江藤拓総理補佐官は、棚田法案を
成立させるべく頑張っておいでになる。早期に成立させるべく、私
も頑張ります。
 また、JA延岡では、同地に住む私の妹夫婦が出席してくれた。
 ところで、集まりの後、出席していただいていた農業者の方から、
認定農家だけでない小規模農家の経営所得安定対策が必要だとの要
請を受けた。私は、小規模農家も営農組合に加わり、それが農業生
産法人として支援を受ける形を強化したいと申し上げ、「それでい
い、しっかり対策を講じてほしい」とのお話しをいただいた。
 頑張ります。


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