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***山田としお メールマガジン No.288***
2013年1月28日発行
山田としお公式ホームページ
(http://www.yamada-toshio.jp/)
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危険な名前の登場
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【概要】
安倍内閣が激しく始動しています。緊急課題である景気回復に向
けての日銀との神経戦は、円安推移や株価上昇で市場に一定の効果
を出しているようです。
ところで、経済再生に向けた「司令塔」としての経済財政諮問会
議や産業競争力会議や規制改革会議が矢継ぎ早に開催されています
が、昔の名前が出ています。竹中平蔵氏や大田弘子氏です。激しい
農業批判を行い、「雇用不安や格差拡大は経済発展の過程に過ぎな
い」「東京栄えて何が悪い、この後地方に波及する」と言い放って
いた市場原理主義者が再び登場してきたことです。今回も経済界か
らの民間議員を中心に、TPP推進、農業の構造改革が声高に叫ばれ
ています。
私は、「安倍さん大丈夫ですか」「メンバーを選定し直す必要が
あるのではないのですか」と申し上げたい。
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【浜田宏一名誉教授の日銀への厳しい批判】
安倍内閣が激しく動いています。そして今日から国会が始まりま
す。
当面の最大の緊急課題である経済再生に向けて、(1)金融政策で
日銀に有無を言わせず物価目標2%を定めさせて金融緩和策を進める、
(2)10兆円に上る補正予算を編成し、25年度予算と合わせて15カ月
予算として公共事業、震災復興対策で財政出動する、(3)その財政
を裏付ける25年度の税制改正大綱を決定する、(4)民間企業人と学
者を集めて経済財政諮問会議や産業競争力会議や規制改革会議等を
つくり、成長戦略や国際戦略を策定することが動いています。
私も、補正予算対策、税制対策、加えて25年度の畜産・酪農政策
価格対策の決定に参画しました。各地への挨拶の日程を組んでいた
こともあり、日程の変更をお願いし、ご迷惑をかけました。
この間の特徴的な動きを報告します。
一つは、安倍総理が金融緩和政策で日本銀行に徹底した攻勢をか
けたことです。
そのブレーンとして、総理が信奉する浜田宏一イェール大学名誉
教授がおいでになることはもう皆さん周知のことですが、遅ればせ
ながら私も浜田教授の「アメリカは日本経済の復活を知っている」
(講談社)を読みました。米国の行き過ぎた金融商品であるサブプ
ライムローンの破たん、それに続くリーマンショックの世界への波
及、それに対処する日銀の政策の失敗が日本のデフレを深刻化させ
たという主張、そして、その後の白川総裁を中心とする日銀の無策
への鋭い攻撃が続きます。さらには、円高の原因やそれに対応する
政策手段について国際金融論の初歩的な知識すら持っていない民主
党の総理や財務大臣の「不適材不適所」批判、そして、日本の財界
に対しても、「日本の国民経済のことを考えよう」という気概がな
く「不勉強かつ無知だった」との批判も、その厳しさからして驚き
でした。その激しさは、もう学者の域を超えた運動家・思想家とも
いうべきものです。
安倍さんは、この浜田教授の主張を入れて、日銀に金融緩和を求
めたわけですが、今のところ円高は円安に進み、株価も1万円台に
回復し成果をあげているのだからこれまでの日銀の政策はやはり間
違っていたということかもしれません。ものの見方は表裏あり、そ
の評価は難しく後年その判断がなされるでしょうが、長期にわたっ
ての円高で輸出に苦しみ、企業は収益を落とし、賃金を下げ、その
ため国内需要は伸びずにデフレが深刻化し、企業の海外への進出で
国内雇用は落ち込み、果ては倒産や海外企業に買収される、という
ようなデフレスパイラルに一定の歯止め効果が気分的にも出てきて
いるということでしょう。ともかく、3月末決算を控えた企業は一
息ついているのかもしれません。
【納得できない民間議員のTPP参加議論】
二つは、各種諮問会議への竹中平蔵氏や大田弘子氏など、昔の名
前が出てきたことです。
1月23日の党の政調全体会議での25年度予算編成の基本方針の論
議で、私は発言を求め、これら民間人による会議を「司令塔」とし
ていくことについて、これまでこれら両者にどれだけ混乱を与えら
れたか、3年半前の総選挙における自民党の大敗の原因をつくった
のはこれら両者の責任も大きい、人選を見直すべきだと主張しまし
た。出席の議員から大きな拍手が起こりました。
翌日開催された初回の産業競争力会議では、民間議員を中心に、
あからさまにTPP交渉参加を求める意見が出され、委員によっては3
月までに参加表明すべきとする意見も出されました。また、株式会
社等の農業参入の促進、農地の売買や賃貸の要件の緩和、農地の流
動化事業の開放、農地の転用基準の緩和等を主張する委員もいます。
これは容易でありません。なぜこれまで進まないのか、経済界の
反省はないのか、一方的な議論でなくてもっと深い議論が必要なの
だと言いたい。農業に精通した人を委員にせず、新自由主義や市場
原理や構造改革を主張する人だけで議論することに大きな危惧を抱
かざるを得ません。今からでも、委員の追加を行うべきです。
【引き続きの課題を残した税制対策】
三つは、税制対策です。
企業の成長戦略を推進するため、研究開発等のための法人税減税、
若者へは自動車取得税や住宅ローンの減税、富裕層へは高額所得者
の所得税率の引き上げや、相続税の控除額の引き下げによる増税を
決定しました。
なお、都市農業の継続に必要な農機具保管等の農業施設について、
相続の対象から一定面積を控除することとされたのは一定の減税と
なります。しかし、この程度で、後継者が農業を継続できるかとい
うとそうではなくて、相当の農地や資産を売却せざるをえなくなる
状況は変わりません。農業継続を確実にするためには納税猶予制度
の見直しや、今や絶対に必要な都市の防災空間や緑の景観を確保す
るための都市農地の重要性は明らかであり、これまでの転用を促す
ための宅地並み課税は時代遅れです。そうした基本に立ち返った都
市計画法の見直しと、新たな都市農業・農地基本法等の制定が求め
られるのです。今回の税制対策で、これらのことを検討事項に盛り
込みたかったのですが、発言のタイミングが合わず、税調幹部にも
個別に働きかけましたが実現できませんでした。来年に向けて、し
っかり準備します。
また、私が発言した事項では、たばこ税は据え置きで決まりまし
た。しかし、地球温暖化対策税の森林吸収減対策への支出は、引き
続き検討事項として残されました。
【農林部会長は与党でやりたかった】
四つは、畜産・酪農政策価格の決定対策です。
飼料穀物の高騰傾向が続いていることからして、それぞれについ
て引き上げを実現できましたが、アベノミクスで円安を誘導してい
ることもあり、輸入穀物や燃料や資材の価格アップがさらに見込ま
れることから、今後の状況いかんでは緊急対策や中長期的な制度対
策が課題です。
それにしても、与党としての決定は、動きがあっていい。農林幹
部と役所との何回かの折衝や、その結果の関係団体への報告等、か
つての価格決定の取り組みを3年ぶりに再現できました。残念なが
ら野党の農林部会長だった私はこれができませんでした。やはり与
党はいい。
ところで、1月26日の晩に、口蹄疫に苦しみ闘った畜産農家の家
族の姿を追ったNHKのBSプレミアムドラマ「命のあしあと」は良か
った。家内と二人、涙を流しながら見ました。NHKの宮崎放送局は
いい番組をつくりました。
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