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***山田としお メールマガジン No.169***
2009年12月15日発行
山田としお公式ホームページ
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総理から答弁書を受領
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12月11日、江田参院議長に3日に提出していた戸別所得制度に関
する「質問主意書」の政府答弁が閣議決定され、回答が届きました。
国会が延長されたものの、わずか4日間のみで、これでは農林水
産委員会の開催もままならず十分な審議時間が確保できないことが
わかったので、質疑を予定していた事項を質問主意書として提出し
たものです。
総理から議長への答弁書となっており、形式だけは厳かですが、
返ってきた回答内容は無味乾燥そのものでした。ガッカリしました。
やはり、委員会の場で質疑し、不十分な回答には再度質問して追及
する形が必要です。
それにしても、何点かは問題の所在を類推できるものがありまし
た。
1点は、全国のまじめに取り組んできた農業者に不満が強い地域
振興作物の単価の大幅引き下げ問題について、「地域の実情に応じ
て設定できる仕組みを設けることを検討している」ということです
が、10a当たり1万円という一律の措置だけでなく、何らかの財源
と弾力的な単価設定が出来るようにするということでしょう。
2点は、最も利害が衝突することを心配していた生産数量目標の
配分について、これまでの経緯について何の整理もなしに秋田県の
大潟村を訪問した赤松大臣発言問題で、いかに政治主導が危ないか
が証明されましたが、「生産調整未達成地域に不利な配分を行う等
の調整措置は原則廃止するが、地域の関係する農業者にとって、で
きるだけ納得が得られる配分が行われるような取組が重要」との相
変わらず曖昧な回答であり、何をどうするかは明らかになっていま
せん。
3点は、心配される過剰米の発生と米価の低落についてですが、
「過剰米が生じた場合には、その販売分は、当該販売農家の利益と
なるものであり、当該販売農家において、様々な用途に適切に販売
を行うことが重要である」と突き放してしまっています。過剰は放
置する、それで米価が下がるのは生産者の問題であり、自分で判断
して下さいというもので、これでは市場原理そのものです。大臣は
じめ政務三役がこの問題をどれだけ深刻に認識しているか心配だが、
これまでの経済界や経済学者の主張していたことを官僚が踏襲して
いるということでしょう。これがもたらす大混乱を誰が責任を持つ
のだと言いたい。
4点は、集落営農の取り組みに努力されてきた皆さんが心配され
ていたことですが、国からの直接支払いや転作の助成金は、集落営
農組合の指定した口座へ一括して支払われることが回答されました。
もっともであり、皆さん安心して下さい。
5点は、これもおよそ予測はついていたことですが、来年産米に
ついてはモデル事業とあわせて、これまでの水田経営所得安定対策
の「ナラシ」も実施し、補てんが重複する部分は二重払いにならな
いようにするとの回答がありました。これだと制度に加入し拠出し
た一定の担い手層は、地域の実態を踏まえた販売価格相当分を実現
できることとなります。また、23年度の本格実施にあわせて水田経
営所得安定対策のあり方を見直すとしていますが、今後、全国一律
部分と担い手部分を並行して実施することが大きな争点になると見
込まれます。これも今回の質問主意書の取り組みで明らかにできた
ことです。
6点は、財務省や国家戦略室から「供給能力が過剰である米をモ
デル事業の対象とするのか、対象となる地域や農家を限定して実施
することはできないのか」と問題提起されている事項を具体的に答
弁書に盛り込んだのは、これらの問題が切迫しているからなのでし
ょう。この行方が心配です。
7点は、農協、森林組合、漁協について、大事な役割があること
を質問しましたが、『木で鼻をくくる』とはこのことで、それぞれ
の法律の条文どおり「生産力の増進及びこれらの者の経済的社会的
地位の向上等に向けて主体的な役割を果たすべきものと考える」と
して、全く放り投げた物言いになっています。民主党側の方向がつ
かめないということかもしれませんが、立場が変わると冷たいもの
です。
今後、質問主意書にどう取り組むか。もっとギリギリした回答を
求めるとか、不十分な答弁書の内容を次の国会審議で追及するとか
工夫が必要です。
それにしても結果は情けない限りで、国民の投票という厳然たる
事実があるわけだが、政治とは、そこに至るための戦いであったん
だ、ということを痛感する日々です。
※ 質問主意書と答弁書の全文は、添付ファイルをご参照ください。
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