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***山田としお メールマガジン No.141***
2009年2月24日発行
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民主党の「後出しジャンケン」
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民主党が「農林漁業及び農山漁村の再生のための改革に関する法
律案」を1月20日に国会(衆議院)に提出しています。
こうした政局の中で、どんな形の国会審議になるのか予想が立ち
ませんが、早晩確実に行われる総選挙の争点にしようというもので
す。
内容は、一昨年の参議院選挙前に、政府与党が進める品目横断的
経営安定対策に対抗して出してきた農業者戸別所得補償の仕組みを
ベースに、これも今国会に政府が提出した農地法の改正やコメのト
レーサビリティや表示に関する食糧法の改正、さらには事業として
実施している中山間地直接支払いや農地・水・環境保全対策等を網
羅した基本法的な法律となっています。
それ故、特に目新しいものではありませんが、自給率の10年後50
%、20年後60%の明記、所得補償制度の対象に牛肉・牛乳・乳製品等
の畜産物を追加、林業者・漁業者にも生産コストと収入との差額を
補てんする考え方を盛り込んでいます。
特に気になる点は、次の内容です。
1つは、相変わらず「コメの生産調整を廃止する」としていること
です。わざわざ「コメの生産量を抑制する方法による生産調整は廃
止する」と注釈していますが、「生産数量の目標を設定し」その達
成を所得補償の条件にしているのだから、過剰なコメは生産抑制的
にならざるを得ないのであって矛盾しています。あくまで生産調整
廃止のスローガンにこだわるようです。
2つは、生産に要する費用と販売価格との差額を基本にした交付金
を交付するとし、品質・販売方式・経営規模の拡大・環境の保全・
その他生産の要素等を勘案するとしていますが、この内容が全く不
明です。とりわけ、畜種ごとに異なる需給環境の下での畜産物の扱
い、さらには林業や漁業への補てんはどういう基準になるのでしょ
うか。
3つは、農地について抜本的な改革として、意欲ある者ができる限
り農業に参入できるようにするが、当面の改革としては、農用地区
域以外の区域において貸し付けで農業生産法人以外の法人が参入で
きるとしています。政府の法律案は、農用地区域においても貸し付
けで参入できることとしており、この点は争点になります。
4つは、農協・漁協・森林組合等について政治的中立を求めており、
その内容は先に参議院に提出した法案内容を想定しているのでしょ
うが、これは組合員の正当な政治的要求や運動を潰すものであるし、
各政党の政治的な働きかけをも規制するという、民主党にとっても
天に唾する以外の何物でもありません。
5つは、この法律に沿った取り組みを施行後4年を目途に段階的に
実施するとしていることです。これからの4年は何があるかわからな
いのであって、いくらでも言い逃れができるようにしていると言わ
ざるを得ません。
これらに対して、私は、次の3点からして、民主党は「気楽でいい
ですね」と言いたい。
1つは、わが国の農業を担う担い手について民主党はごまかしてい
ると言わざるを得ないからです。「農業で食べてゆける経営をつく
る」ことがどうしても求められるのであって、もちろん生きがい農
業ができる環境もつくりながら、中心になって地域の農業を支える
多様な担い手づくりが必要なのです。「所得補償は全員が対象です」
と言っておれる民主党はよほど気楽です。
2つは、民主党はWTOについて全く一言も触れていません。やはり
小沢代表が「貿易立国だから農産物も例外でない」と言っているか
らでしょうか。重要品目の数やMA米の扱いに悩まなくていいのです
から、すっきりして気楽なものです。
3つは、財源に全く考慮が払われていないことです。以前は「所得
補償に1兆円を充てる」と言っていましたが、今回は全く触れていま
せん。「無駄を省き埋蔵金を活用する」と言っておれる民主党はよ
ほど気楽です。
この3つに政府与党は悩み、そして真剣に取り組んでいます。それ
にケチをつけ、争点をぼかし、受けのいい案を出す。まさに民主党
は「後出しジャンケン」そのものです。
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