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***山田としお メールマガジン No.096***
2008年3月17日発行
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悪い合意なら合意しないほうがいい
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WTO交渉が相当進展しており、ラミー事務局長はじめジュネー
ブの交渉者は、4月の閣僚会議で合意を目指すことですすもうとして
いるようです。
米国は、大統領選挙の最中であり、交渉をまとめる余裕があると
は思えないし、新たな農業法が3月内にまとまらず、現行農業法を1
カ月延長しましたが、一方でブッシュ大統領は、最後の成果として、
「ブッシュ政権の今年の最優先課題はドーハラウンドで野心的な結
果を出すこと」と、まとめたがっています。
EUは、マンデルソン貿易委員が一貫して交渉をまとめる姿勢で
いると伝えられています。
農産物以外の鉱工業製品の市場開放やサービスの分野で途上国が
反発しており、8〜9割はまとまらないという観測もありますが、ラ
ミー、ブッシュ、マンデルソン等役者がそろえば出会い頭にまとま
る可能性もあるといいます。
農業分野では、わが国も含めてジュネーブの交渉者は、議論に議
論を重ねたファルコナー議長の取りまとめの再改訂版が出るとそれ
は大変重いといいます。確かに、長い交渉経緯の中では、貸し借り
もあり、もうこれ以上前に進まないという状況があるのかもしれま
せん。
ところが、現行の議長取りまとめは、重要品目の数の絞り込み、
平均で50%を超える関税の引き下げ、重要品目として関税削減率を小
さくした場合の代償措置としての関税割当数量(コメのMA米に相
当)の拡大、重要品目の数を多くした場合、全ての関税率を100%未
満にするという上限関税は盛り込まないものの代償として関税割当
数量の追加的な拡大を内容としています。
交渉の経緯があったにしても、これでは、例えばわが国のコメに
とっては、現行の76万7千トンのMA米の大幅拡大を求めるものです。
乳製品も砂糖も関税引き下げと合わせて輸入数量の拡大が迫られま
す。
こんな内容で合意したとなると、日本の農業は本当に崩壊してし
まいます。生産調整をどうするのか、経営安定対策をどうするのか、
価格安定制度をどうするのか、何ら仕組みが準備できていないし、
財政はもっと厳しい状態です。
今や、世界は温暖化と異常気象の続発や、穀物の食料とエネルギ
ーの争奪の中で価格は高騰し、飢餓に苦しむ途上国や、国土の条件
に制約を抱えたわが国やアジア諸国のような食料輸入国は高い価格
の食料を購入せざるを得なくなっています。
このことは一過性のものでなく、今後長期間にわたって続く事態
です。広大な農地を抱えた農業条件に恵まれた輸出国主導の市場開
放一点張りの貿易交渉は、大きく環境が変わったのです。
来日したEUのCOPA(ヨーロッパ農業団体連合)のペソーネ
ン事務局長と意見交換しましたが、COPAも今の交渉の合意は絶
対に受け入れられないと言います。フランス、ドイツなど、EU27
カ国のうち20カ国は、これではまとめられないとしています。ヨー
ロッパの農業団体も主要国の農業大臣も、フランスのサルコジ大統
領も「悪い合意なら合意しないほうがいい」と発言しています。
わが国も、「WTO交渉の年内合意の促進」などと建前を言って
いるのでなく、若林農水大臣はもちろん福田総理が、「悪い合意な
ら合意しない」と明言すべきです。
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