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***山田としお メールマガジン No.456***
2021年5月26日発行
山田としお公式ホームページ
(https://www.yamada-toshio.jp/)
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農地利用の集積と担い手確保に全力をあげよう
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【規制改革推進会議が主導する、株式会社等の農地所有による農業経営への参入は絶対に認
められません】
率直に言って、農政の方向について納得できない事々があります。とりわけ、農地の扱い
についてです。
一番の問題は、規制改革推進会議が主導し、具体的な政策の実行を進めた、株式会社等の
農地所有による農業経営への参入についてです。
兵庫県養父市の取り組みについては、5年経過後の全国展開については2年後に先送りはし
ましたが、株式会社の農地所有による農業経営への参入については、それを止めることは出
来ませんでした。このままでは、2年後には、株式会社の農地所有による農業経営への参入
が全国的に展開されることになります。とんでもないことです。
それにしても、規制改革推進会議の議論は、到底納得できるものではありません。
【JAは、生産・流通・販売面で、地域の営農組合や法人等をしっかり支えましょう】
まさに今必要なのは、地域に根差す農業者とJAが、しっかりと地域の農業・生産・流
通・販売を担うということです。ところが、規制改革推進会議等の主張は、全国的に、株式
会社等が農業生産に参入し、地域の農業生産を担うにとどまらず、販売活動に取り組むとい
うものです。
これでは、どういう形の農業生産・販売の取り組みが展開することになるのでしょうか。
農業者は、株式会社の従業員になるのかもしれませんし、また、株式会社の経営者として、
地域の農業生産・販売の活動を行う、という形が出来上がるのかもしれません。
一体、どういう地域社会が生まれるのでしょうか。JAの販売活動はどうなってくるので
しょうか。株式会社の一部門になっていくのかもしれないのです。また、大都市からも、他
県からも、そして海外からも進出した会社が生産活動を行い、生産物を特定の国に出荷・販
売する形が生ずるかもしれないのです。
【農外の企業の参入で、地域の農業も農地も壊しかねない動きを絶対に許してはなりません
】
まさに、そうした事態を避けるためにも、地域で、農業者やJAがきちんと役割を果たし、
農外の会社等は参入させない、地域に混乱を持ち込ませない取り組みが極めて大事です。も
ちろん、地域の営農の取り組みについて、JAをはじめ、営農組合や法人がしっかり支える
仕組みを作り、「2年後にも、農外の株式会社を安易に参入させない」「地域の農業と生
産・流通・販売は、JAがしっかりと支えている」という形を作り上げなければならないの
です。
もちろん、高齢化や、とりわけ、農業就農者減など、地域の変化はあるわけで、農業者と
連携したJA等の取り組みで、地域農業を支える取り組みをしっかり強化しておかねばなら
ないのです。
そのための、部会の活性化や、JAの施設整備、販売の取り組みを強化し、地域を守るJ
Aの力をしっかり示していきましょう。
当然、JAの販売力の強化や施設整備等々が必要なわけで、そのための対策に、政府も、
そして皆さんに支えていただいている議員としても全力をあげます。
ともかく、農外の企業がやすやすと参入する、その上で、農地も所有して、そのうち、地
域の農業も農地も壊しかねない動きに、絶対にさせてはなりません。
ところで、懸念されるのは、圧倒的に農業就業者の高齢化が進み、とりわけ、中山間地な
ど条件が悪いところは、担い手がいなくなってしまうという心配です。特に、山間地や条件
の悪い地域は荒廃しかねないわけで、そうなると、農地の転用等も進みかねません。
それで、地域は大きく変化し、崩壊します。
【欧米並みの経営所得安定の仕組みを作りあげましょう】
地域づくり、農業づくり、担い手づくりを、どう取り組むか。農業者、地域の皆さんが、
自治体やJAや農業委員会等と一緒になって、そして、経営所得安定対策を強化する、地域
を守り、支える取り組みに全力をあげなければなりません。
これらのことに、遠慮はいりません。大切な、日本と、故郷と、国民の食を確保し、支え
る取り組みです。誇りと自信を持って声をあげ、要求を実現しましょう。
地域と食と農を支える存在なしで、この日本は存立できるのでしょうか。出来ません。
ともかく、今、何が必要か、どんな役割を果たすのか。家族を、地域を、仲間を守り、日
本を支える、その誇りをもって、取り組みと運動をつくりあげましょう。
【世界に誇れる日本を、食と農を、そしてJAを築き上げましょう】
ところで、この危機感は、農業関係者は一致できるのですが、党の全体の議論からすると
容易でない面もあります。党の農地政策の検討会においても一定の取りまとめがなされまし
たが、それは、中間的に現段階の問題意識をまとめたものです。今後、どう展開するかにつ
いては、必ずしも明確にはなっていませんが、規制改革推進会議等の動きもあり、農政の方
向が、どこへ向かおうとしているのか不明の中で、「農地の問題があるぞ」と提起しただけ
でも意義があると思いますが、現段階での内容は、とりわけ、JAの役割についての記述は
全く不十分なものであり、この内容で済むわけでなく、もっともっと詰めて、議論を深めて
ゆくことが求められます。
私は、今回のとりまとめの最後に、「引き続いて検討を進めていただきたい」と発言し、
それに対して、林芳正委員長から、しっかり検討していく旨の問題意識を示していただきま
した。
確かに、年末には総裁選挙をはじめ、必ず衆議院選挙が行われるのであって、今、具体化
できないことはわかりますが、党と政府としての問題意識を明記したのは確かであって、こ
れらをしっかり取り組む必要があります。
それにしても、私には納得できないところがあります。というのは、私は、あえて発言し
なかったのですが、今回の農地に関する取り組みの取りまとめにおいて、JA(農協)とい
う単語は2か所しかありませんでした。
一つは、「農協」による農作業受託の取り組みを質・量ともに充実させ、「農協が農業経
営に取り組みやすいようにする」というものです。
二つは、「農村における多様な 関わりを希望する人材を募り、JAグループ等とも連携
し」という部分でした。
もちろん、農地は農業委員会の分野であり、土地改良団体の分野であり、市町村行政の分
野です。それにしても、農地と農業生産とは切り離せない問題であり、JAの役割と機能か
らして、地域におけるJAの存在は、その程度なのでしょうか。到底、納得がいきません。
JAグループは、徹底して主張し、取り組まなければならないのです。
農水省は、ややもすると規制改革推進会議の議論に引っ張りまわされており、散々痛めつ
けられている職員や幹部には、本当に同情するのですが、この構図では、日本の大切な、そ
して農業にとっては根幹である農地の扱いについて、こんな形で推移すると、日本の農村は
もとより、日本そのものが崩れます。今、政治は、そんな局面にあることを皆さんに知って
いただきたいと思います。
こんなことで、故郷を守れるでしょうか。ましてや、このままでは、根幹をなす農地の所
有についても、農業者でなく、他業態の株式会社や外資等が占有することになりかねないと
危険視せざるを得ません。
【まさに、闘いなのです。頑張りましょう】
どういう日本を、どういう組織を、そして集落を、家族を描くのか、作るのか、守るのか。
徹底して議論し、絵や構想を描き、国政の基本に位置付けましょう。それを農水省に担って
もらいましょう。
「規制改革推進会議に勝手な議論をさせない」という形で、しっかり、我が国の歴史・経
済・食と農の在り方を踏まえた論議と政策づくりを農水省が、自治体が、地域の農業関係者
が、JAが、農業者が、自信を持って、描き、進む、将来像づくりに全力をあげましょう。
しかし、このためにも、大きな反省があります。
というのは、どうもお役人は、規制改革推進会議に呼ばれ、農外の企業の農地所有という
全くでたらめな意見で、散々責められることにへきえきとしており、それを避けたいがため
に、ややもすると、農外の企業の農地所有の議論をそのまま受け入れるという、弱気の姿勢
になっているのではないのか、という心配です。
その一方で、JAグループも、そして、私など党のサイドも、農地の扱いについて「しっ
かり注文をつけられないでいる」「農水省のお役人を支えられないでいる」ということもあ
るのだと思う。
だからこそ、あいまいな、抽象的な要請をあげているだけではダメなのであって、実態を
踏まえ、きちんと理論武装した形で、要求をぶつけていくことが必要なのだと痛感していま
す。
まさに、闘いなのです。頑張りましょう。
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