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***山田としお メールマガジン No.392***
2017年6月27日発行
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大枠合意ありきの日EU交渉は危険
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【岸田外務大臣に申し入れ】
日EU経済連携協定交渉は、日本で主席交渉官会議が行われてい
ることもあり、様々な形での新聞報道が先行しています。もちろん
党内でも対策本部(西川本部長、森山幹事長)を設け、5つの部会
(外交、総務・財金・国交、厚労・環境、農林水産、経産)に分け
て議論を進め、6月23日には一定の取りまとめを行い、26日に外務
大臣に申し入れを行いました。私は、当初、日EU経済連携交渉対
策議員連盟の幹事長に就任し、総会や幹部会、さらには在日EU代
表部との意見交換会も行っていた経緯もあり、対策本部の副本部長
として参加しています。
党としての申し入れの骨格は、特に農林水産物については、次の
点を盛り込んでいます。
一つは、攻めるべきは攻め、守るべきは守り、国益を最大化する
こと。
二つは、日本とEUとの間の問題は、EUから日本への輸出は7
割が無税であるのに対し、日本からEUに対する輸出の7割は有税
であり、この不均衡な状況を一掃するべく日本の関心品目について
無税を勝ち取る努力をすること。
三つは、日EUの農林水産物の貿易のアンバランスを解消するた
めにも、EUへの輸出促進に向けて農畜産物の輸出解禁の実現や、
輸出に関する規制・基準等の輸出環境課題の解決に向け全力を尽く
すこと。
四つは、農林水産物の交渉に当たっては、国益が損なわれること
のないよう、重要品目の再生産が引き続き可能となるよう、必要な
国境措置をしっかり確保すること。
もともと、日EUの交渉は、6〜7年前から動きがありましたが、
TPP交渉が先行する形で進み、とりわけ、TPP交渉の細目の詰
めや、国内対策、そして国会の特別委員会での審議が続いたため、
日EU交渉は先送りされてきていました。
ところが、TPPは米国の離脱表明があり、米国抜きの11か国に
よる協議も米国抜きでは効果が期待できないというベトナム等の国
もあって、必ずしも前向きな動きになっていません。ここは、日E
Uを進めて、自由貿易を内外に高く掲げ、米国のTPPへの復帰の
動きを作っておきたいとする狙いが強まりました。一方、EUもイ
ギリスの離脱で、ここは何としても自由貿易の成果を上げておきた
いという動きがあるとみられます。
まさに、こんな形で、日EU連携が急速に高まってきました。そ
のことが、今年3月の日EU首脳会議における「出来るだけ早期の
大枠合意に達する」とのコメント、さらには、5月の「交渉を加速
させ、双方が政治的指導力を発揮する」との首脳会談での一致にな
りました。
ここへ来て、日EUで焦点となっている乳製品の扱いの基本にな
るであろう我が国の指定団体制度の改変を図る畜安法が今国会で成
立したこともあって急速な動きになってきたのです。
【私の問題意識と発言】
ところで、私は、党としての申し入れの取りまとめの前の幹部会
では、一貫して以下の発言をしてきました。
一つは、関税水準や関税割当数量については、TPPで合意した
水準、とりわけ米国と合意した水準を超えないこと。
二つは、豪州とのFTAで合意した水準を超えないこと。
以上の2つは、その水準いかんでは、必ず、米国が二国間交渉を
求めてくる論拠になるからです。
三つは、原料を輸入して国産と合わせて加工しているソーセージ
等や、輸入小麦等を原料にして製品化している小麦粉製品等につい
て、原料の輸入関税(マークアップ)を支払いながら、一方で、輸
入製品の関税が引き下げられた場合、その水準いかんでは、国内で
競争にならないという問題です。
四つは、酪農製品は国内生産で需要を満たせず、一定量は輸入に
頼らざるを得ず、また、各種チーズ等、EUの特色ある製品とは容
易に競争できない環境にあるのですが、しかし、これらも関税が下
がり輸入枠が拡大されたりした場合、国内の酪農生産に大きな影響
を与えることになります。国内の生乳生産の伸びをきちんと踏まえ、
また、夏冬の需給の変動に伴う飲用乳と酪農製品仕向とのバランス
が、きちんととれる範囲を守らなければならないということです。
これは、役所だけでなくて、酪農の専門家や製造メーカーとの徹底
した詰めがなされなければなりません。
五つは、輸入ワインの扱いと、一方での日本酒や緑茶の輸出に向
けた扱いが、日EUでバランスが取れたものでなければならないこ
と。
六つは、EUからの木材や製品輸入に関する関税の扱いと、日本
産の家具等の輸出拡大をはかること。
そして最後は、影響が大きいとみられる品目の国内対策の検討が
当然なされなければならないということです。
【「世界の多様な農業の共存」を旗印にすべきだ】
26日に、交渉の責任者である岸田外務大臣に対策本部の幹部が面
談し、要請し、私も加わりました。
私は、これまで、WTOドーハ・ラウンドで、日本の農業団体の
代表として交渉を見守った経緯からして、日本とEUは米国の攻勢
に共同して対抗し、「世界の多様な農業の共存」を旗印にしてきた
経緯から、二国間の日EU交渉においても、日本が、そしてEUを
構成する各国がそれぞれ抱えている条件不利地域等の多様な農業を、
ともに発展させる立場から、わが国との共通の理解があるので、交
渉でもそのことをきちんと主張し、両者で合意してほしい旨を述べ
ました。大臣は、「しっかりお聞きした」と答えておられました。
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