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***山田としお メールマガジン No.379***
2016年12月2日発行
山田としお公式ホームページ
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TPP特別委員会で総理に質疑
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【激励と抗議が交錯】
久々のメルマガになってしまいました。ようやく出番が回ってき
た、TPP特別委員会での私の質疑には、皆さんから「良かったよ」
という激励もありましたが、「あそこはどういう趣旨で言ったの
か」というご意見もありました。質疑の持ち時間が20分ということ
なので、言いたいことの割に時間が短すぎて焦りもあり、とてもじ
ゃないですが私の意をきちんと伝えることになりませんでした。し
かし、私としては、これまでの事々を考えに考えての判断でした。
場合によっては、私を支えてくださった皆さんの意に反するとした
ら、誠に申し訳ございませんでした。
そこで、ここに至る、経緯と私の思いを書かせていただきます。
この3か月余は、自民党の小泉農林部会長による生産資材価格問
題等によるJA攻撃や地方キャラバン、規制改革推進会議による全
農攻撃、生乳の指定団体制度の議論、そして党の農林関係部会での
対応等々、目まぐるしい動きが続きました。きちんと発言もしまし
たが、多くは、胸に怒りを押し込んで過ごしてきました。そして、
ようやくTPPの審議が衆議院における混乱を経て参議院に回ってき
ました。またそこへ、米国の大統領選挙の混乱・混迷が絡んできま
した。
そこで私は、何としてもTPP特別委員会の委員として、「日米2国
間交渉は絶対に認められないこと」と「規制改革推進会議のあり方
は見直すべき」だと総理にきちんと質疑したいと狙いを定めました。
この1か月間、何度も質問要旨を書いて、書き換えて、を繰り返し
てきました。
【党内最大の議員連盟を組織し活動】
このことは、私が皆さんのご支援で議員になって、そして間もな
く野党になって、民主党の菅政権の時に、日本もTPPに参加するか
どうかの議論が始まり、それ以降5年余り、この間、私は、森山裕
先生をはじめ有志と語らって、自民党の「TPP交渉参加の即時撤回
を求める会」という議員連盟を立ち上げ、森山会長、稲田朋美幹事
長のもとで、党内最大の議員連盟としてその事務局長に就任しまし
た。そして与党復帰後は、第2次安倍政権での安倍総理・オバマ大
統領の首脳会談での「両国のセンシティビティを確認する」旨の共
同声明を受けての日本のTPP交渉参加を契機に、議員連盟の名称を
「TPP交渉における国益を守り抜く会」と変更し、5年間で74回の総
会を開催してきました。途中で、党のTPP交渉の責任者になった森
山先生から江藤拓先生に会長が変わり、大臣に就任した稲田先生か
ら小野寺五典先生に幹事長が交代したものの、私は一貫して事務局
長として、この間、会議室の確保、資料の準備、議員の出欠の把握、
講師や政府関係者への連絡、お茶の手配等を私の事務所で取り組ん
できました。この間の、森山会長との相談や役員会の開催等は、数
知れません。
この間、昨年10月の大筋合意に至るまで、結果の是非は議論のあ
るところですが、党内の多くの議員の動きを作り上げることに大き
な役割を果たしてきたと思います。また、常にJA全中をはじめ多
くの農業団体との連携にも意を尽くしてきました。その分、ややも
すると政府や党の意向に逆らう動きに映っていたかもしれませんが、
より良い合意を目指して覚悟してやってきました。
【トランプ新大統領の誕生でTPPの行方は不透明に】
こうした経緯から、長い間の取り組みの総括としても、どうして
も公の場で、自分の主張を明らかにしておきたいと考えていました。
ところがなかなか順番が回ってこず、その間、米国の次期大統領に、
「TPPから離脱する」と主張していたトランプ氏が選ばれ、総理が
訪米しトランプ次期大統領と面談した直後に、トランプ氏サイドか
ら、来年1月の大統領就任初日にTPPからの離脱を表明するとのコメ
ントが発表されるという事態になってしまいました。
一方で、この間は、小泉農林部会長による生産資材等の問題での
JAや全農への改革の注文、規制改革推進会議による生乳の指定団
体制度の取り上げ、加えて全農の事業のあり方への攻撃にとどまら
ない第二全農の設立という攻撃、農協の信用事業について3年内に
半数のJAの代理店化など、極端な形での意図的な攻撃がごちゃ混
ぜになって続きました。
結局私の出番は、心配してくれた参議院幹部の配慮もあって、よ
うやく国会閉幕の秒読みの段階で回ってきました。時間は20分しか
ありません。その後、国会は2週間延長になりましたが、大事なチ
ャンスでした。
【日米2国間交渉は絶対に認められない】
ところが、オバマ大統領陣営からも、在任中のTPP承認はないと
の表明があり、そして、トランプ氏のTPP離脱表明のコメントには、
日米2国間交渉をすすめるとの言及があったことから、TPPは風前の
灯火のように消えかねない状態になってきました。
そこで、これまでの質問事項を思い切って切り替えることとし、
日米2国間交渉は絶対に認めないことを基本に、そのためにも、重
要5品目を中心に関税の全面的な撤廃を許さず、不十分ながらも一
定の関税を残したTPP合意を貫徹する方が、有利であり、これをト
ランプ氏をはじめ、米国に働きかけることの方が大切だと判断しま
した。
【規制改革推進会議の見直しを提言】
ところで、TPP交渉と並行して行われていた日米協議で、投資
サービスの分野で、規制改革会議が位置付けられていることを見つ
けました。ただでさえ問題を抱える規制改革会議を、日米交渉でも
利用されることは絶対に認められません。その問題意識で、規制改
革推進会議のあり方の見直しを総理に迫ることとしました。このこ
とは、質疑では明らかにしませんでしたが、投資サービスの分野で
の日米2国間交渉になると、必ず、JAの信用、共済事業への攻撃
が出てくること、そしてそれは、確実に規制改革推進会議が関与す
る心配が出てくるということなのです。
最後に、総理の就任当初の農業・JAへの思いや発言が、近年に
なり大きく転換していることを明らかにして、総理に、改めて食と
農の大切さ、そして、それを支える農業者とJAに思いをはせるこ
とを訴えることとしました。
私は、これ以上、我が国の農業・農村、そしてJAが窮地に立た
され、攻撃されることには我慢がなりません。この思いは絶対に貫
徹します。今後とも、よくよく皆さんのご理解とご支援を頂けるよ
う精進します。
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