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山田としお メールマガジン319号
党と国会の決議をどう守るのか

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    ***山田としお メールマガジン No.319***


                    2013年10月8日発行

                山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)

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      党と国会の決議をどう守るのか

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【日本中を駆け巡った西川委員長発言】

 西川TPP対策委員長が、TPP閣僚会合と首脳会談が行われる
インドネシア・バリ島にて、甘利大臣らとの打ち合わせ後のぶら下
がり取材(会合を終えたあと記者が取り囲んで、会合の内容の報告
等を求めるもの)で、日頃の持論を話されてしまいました。

 こうした記者会見は、不意を突いた質問が出たりしますし、準備
して臨むものでないので、日頃の思いが出てしまうものです。話し
出すと、次々に質問が出て、止められなくなります。そうした状況
での発言なので、同情もしますが、海外からの電話で聞かされた直
後は、「ああ、やってしまった」というのが私の受け止めでした。
西川委員長は、かつてのWTO交渉のときは、自民党の農林水産物
貿易調査会の事務局長として辣腕をふるった方で、日本の農業を守
る決意はだれよりも強い方だと思います。だから、「なぜだ、どう
されたんだ」という感じでした。


【重要品目とタリフラインの関係】

 もう新聞各紙が書き競っているので詳細は省きますが、わが国は、
全貿易品目のうち関税を撤廃している品目数の割合である自由化率
(日本は88%程度になる)を、11カ国に対して80%台をオファーし
ているが、米国等輸出国は不満で、もっと引き上げるよう求めてい
るものだから、それを諸国が提案している92%〜95%程度に引き上
げるには、これまで関税撤廃を行っていない重要品目にも手をつけ
ざるを得ない。言い替えると、自由化率を高めるためには、重要品
目のタリフライン(コメの場合は、玄米・精米・米粉・米粉調整品
等58にのぼる貿易分類上の品目のこと)のうち、貿易量の少ない品
目や、影響のない品目を関税撤廃することで、関税撤廃しない品目
数を絞り込む――という考え方です。ちなみに、農林水産品目全体
における、これまで関税を撤廃したことのない品目数(タリフライ
ン数)は834になり、鉱工業品を含むすべての品目数9018に占める
割合は9.2%です。このうち、重要5品目の品目数(タリフライン)
は586になり、この割合は6.5%です。これらをすべて関税撤廃しな
いとなると、自由化率は90.8%と93.5%にとどまります。これでは
各国の要求に応えられない、という問題意識のようです。

 この問題点は、その品目に関連するタリフラインの関税を撤廃し
た場合、現に輸入が無いから影響が無いと見ていいのか、それとも、
これら関税を撤廃したタリフラインの輸入が増えて、他のタリフラ
イン、ひいてはその品目全体の需給に影響を与えかねないという心
配があるのです。簡単な例示で言うと、米粉に砂糖やでんぷんを加
えた米粉調整品というタリフラインの関税を撤廃すると、それら米
粉調整品の輸入が増えて、輸入後に遠心分離機で米粉や砂糖やでん
ぷんを分けてしまうと、米粉や砂糖やでんぷん本体の需給に影響を
与えてしまうことになります。まさに、将来的にはコメ全体の需給
は大混乱となりかねません。西川委員長は、だから品目ごとに検証
して、影響のないものは自由化するが、そうでないものは関税を残
すのであって、「重要品目から抜くということを前提にするもので
ない」とおっしゃっているわけですが、危険が同居した考え方であ
ると言わざるを得ないのです。


【各国の要求をきちんと掌握すべきだ】

 このことは、いくつかの点で問題があります。

 一つは、米国等と本格的な品目ごとの協議を行っていない段階で、
米国の要求を踏まえないまま、日本側が重要品目について妥協しよ
うというものであることです。米国の要求は、もっと別のところに
あって、「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品という
ように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在するこ
とを認識し」という安倍総理―オバマ大統領の共同声明を踏まえた
うえで、重要品目について一定の配慮は行うが、少なくとも、コメ
のMA米の扱いについて見直してほしいというものかもしれないし、
麦についても、国家貿易の制度を維持し、米国からの買い付け枠の
確保を維持してほしいというものかもしれないのです。とすると、
日本側が自由化率を拡大しても、米国にとっては何のメリットにも
ならず、むしろ米国としては、頂くものは頂いて、あとは追加で米
国の上記要求を求めてくるかもしれないのです。要は、米国ときち
んと協議して、日本側の対策を練るべきなのです。

 二つは、米国の来年度予算案が議会を通らないこと等もあり、米
国内は大混乱にありますが、これらにオバマ大統領も縛られて、T
PPの行方も定まらない中で、なぜ、日本が拙速な動きをしてしま
うのか、ということです。

 三つは、党の決議や国会の決議があり、それを守るというのが政
府・党の約束です。なのに、これに抵触しかねないこれらの判断を、
一切、党で議論していないことです。まして、10月2日の生産者・
消費者の「国会決議の実現を求める」全国集会で、石破幹事長は
「重要品目は必ず守る」「選挙公約はたがえない」「そのことを約
束いたします」と言明されました。その言葉が私の耳に鮮明に残っ
ています。なのに、場合によれば、重要品目を守ることにならない
かもしれない提案を4日後に容認してしまうのは、一体どういうこ
とでしょうか。西川委員長は、石破幹事長と相談したことであると
話し、石破幹事長も、「西川委員長は、重要品目の関税撤廃を前提
にしないと言っており、そのためにも細目を検証するということ
だ」とおっしゃっている。だから、新聞各紙の夕刊は、「TPP重
要品目を見直し」「聖域の関税撤廃も」と見出しを書き、重要品目
の見直し開始を世論にしてしまったのです。これでは納得がいかな
い。


【総理を加えた鳩首会談を実施し、政府の方針を確立すべきだ】

 ともかく帰国後、党のTPP対策委員会が開かれるので真意を聞
くことになるし、私が事務局長を務める「TPP交渉における国益
を守り抜く会」で、こうした進め方は絶対に認められないとすると
ともに、今後の対応を決めてゆきたい。

 ところで、私の提案ですが、安倍総理・菅官房長官・甘利大臣・
林大臣・石破幹事長・西川委員長による会議を開催し、これまでの
党・国会決議、そして各国との交渉の動きと問題点、今回の一連の
騒動を整理し、政府と党で一致した今後の取り組み方針を立てるべ
きです。その際、オバマ大統領との間で「日米両国のセンシティビ
ティを認識した」共同声明をつくりあげることができたことを理由
に、「私は公約を守った」「私に交渉参加の判断をさせてほしい」
「私は日本の食と農を守る」「私を信じてほしい」とおっしゃって
いる安倍総理に、真の決意を表明していただきたい。

 これは、安倍さんを総理にし、安定政権をつくりあげた農業者や
国民の、そして私の切なる願いです。


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