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山田としお メールマガジン318号
参議院派遣で米国の3都市を訪問

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    ***山田としお メールマガジン No.318***


                    2013年9月30日発行

                山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)

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      参議院派遣で米国の3都市を訪問

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【ワシントンでは、マケイン上院議員等と意見交換】

 9月21日から27日まで、参議院重要事項調査でアメリカへ行って
きました。6年に一度、順番が回ってくるようで、3年前に、インド
とインドネシアの調査に行きました。今回は、金融財政の調査が中
心ということで、自民党から私と末松先生(兵庫、参議院外交防衛
委員長、団長)、二之湯先生(京都、参議院自民党副幹事長)、公
明党から山本先生(比例)、民主党から風間先生(新潟)の5人が
参加しました。

 ワシントンでは、連邦議会(共和党のマケイン上院議員、マコウ
スキー上院議員、ボーカス上院財政委員長のハーシュ首席補佐官、
エメンドルフ議会予算局長)、連邦準備制度理事会(FRB、パウ
エル理事)、国立衛生研究所(NIH、小林主任研究官)、戦略国
際問題研究所(CSIS、セチェイニー日本部次長)、佐々江駐米
日本国大使他の皆さんと面談しました。
 

【TPP首席交渉官会合に遭遇し、TPPも大きな話題に】

 ワシントンでは、我々が訪ねた日は、ちょうど午前中まで、首席
交渉官会合がなされていたところであり、終了直後の状況を聞くこ
とが出来ました。

 アメリカに出発する直前の新聞は、自由化率95%まで米国に迫ら
れる、そのため、皮革や酒類の関税撤廃も求められると煽っていま
した。ところが、交渉に参加していた渋谷内閣審議官は、全く事実
無根だと言います。「そこまで議論は進んでいない。10月8日のイ
ンドネシアのバリ島におけるTPP閣僚会議と首脳会議に間に合わ
せることが出来るように、分野別には、物品の関税以外の電子商取
引や通関手続きなど、まとまりやすいものを来週まで方向を出すべ
く交渉している。関税や投資や知的所有権や政府調達や国有企業や
環境等も時間がかかる。品目ごとの担当者も10数人来て交渉に当た
っている。自動車についても9月にやろうということだったが、協
議は進んでいない。時間切れと言ってもらった方が日本にとっては
得かもしれない」、しかし、「USTRのフローマン代表は、何と
してもまとめたい、でないとオバマ大統領の成果を示せないと考え
ている」との報告でした。

 とすると日本のマスコミは、煽り過ぎです。何としても農産品等
での妥協だと煽っています。そういう環境づくりを行っています。
そしてこれからも日本政府側が情報を開示せず、かつ、日本政府と
しての基本姿勢を示してもいないのですから、こういう煽りは続く
と見ざるを得ません。日本は、党や国会が決議しているのですから、
その姿勢を守り抜くことをきちんと示して、米国に対しても日本の
決意を強く示すことが必要なのに、そうなっていません。極めて残
念です。


【両国のセンシティビティに配慮した合意が必要】

 ボーカス上院財政委員長(共和党)の首席補佐官は、「TPPは、
日米関係の強化につながり意義は大変大きい、包括的な合意が必要
だ」としたうえで、「ボーカス議員自身も農産物の重要性は認識し
ており、日米間の異なるセンシティビティに配慮した合意は必要
だ」「来年11月に中間選挙があるが、現在のペースであれば来年中
にはまとめられる」という応答でした。私から参議院農林水産委員
会の決議を渡し、すかさず末松団長が、「日本で国会承認が否決に
なるようなことにならないよう対処してほしい」と注文しました。
また、アラスカ州選出で、エネルギー問題に詳しいマコウスキー上
院議員(共和党)にも決議を渡し、両国のセンシティビテイを配慮
すべきだと申し入れました。


【親日派のマケイン上院議員からは日米関係で提言受ける】

 2008年に、オバマ大統領と大統領選を争ったマケイン上院議員は、
外交問題を中心に意見交換しました。親日派で、日米関係に心を砕
いているマケイン上院議員は、沖縄の海兵隊等の米軍再編対策に全
力をあげるとしたうえで、次のような意見を伝えてくれました。

(1)尖閣は単なる島以上の問題であり、東アジアの安定と関連する問
題だ。
(2)中国が勢いを増しており緊張関係は増える、日米関係はますます
重要だ。
(3)友人としてお願いしたい。日本と韓国は、同盟関係にある。古傷
をなくすためには時間がかかる。日韓でより多くの対話が必要だ。
21世紀の日本の挑戦は中国だ。そのためにも、日韓での対話、未来
志向の関係を築いてほしい。
(4)主張の強い中国に対して、共同したナショナルフロントが必要だ。

 その上で、マケイン議員(共和党)は、今、議会では来年度予算
の扱いが最大の焦点になっているとし、「政府を閉鎖せざるを得な
いことになると大変なことになる、そのことを共和党議員も知るべ
きだ」としたうえで、「TPP問題はその次の課題だ」との意見で
した。結局、我々が帰国した金曜日に、上院(与党民主党が多数)
は、下院(野党共和党が多数)の暫定予算案を否決し、最終日の30
日に結論を持ち越しました。ここで成立しないとなると、18年前と
同様に政府の一部業務が閉鎖され、職員は自宅待機になるといいま
す。

 ともかく議会内(上院)は、オバマ大統領の「景気と雇用からT
PPの意義は大きい」との認識に比べて、議員のTPPへの関心は
低いし、様々な意見がある状況と受け止められました。

 この点は、戦略国際問題研究所の日本部次長の、「日米一緒にな
ってTPPを推進し、アセアン諸国でリーダーシップを発揮するべ
きだ」としたうえで、「議会はオバマ大統領と予算で対立している
ため、TPA(議会の交渉権限の大統領への移譲)を通さない可能
性があり、15年までTPPは合意できない可能性がある」との指摘
もありました。


【デトロイトでは、市財政の破綻と街の荒廃を目の当りに】

 デトロイトでは、今年7月に、連邦破産裁判所に連邦破産法の適
用を申請したデトロイト市の議長と市議会メンバーと意見交換しま
した。デトロイト市は、かつては米国自動車ビックスリーのおひざ
元で活況を呈していましたが、自動車産業の低迷で、1960年代には
200万人いた市民が今は70万人に減っており、そのうちの85%は黒
人です。現在は少しずつ景気も回復していますが、白人や富裕者は
郊外の他の市に住み、GMの本社がある中心市街地を取り囲むよう
にドーナツ状に地域が荒れています。廃屋と、一晩に10数件の放火、
警察は連絡しても1時間では来ないという荒れた危険な街になって
いるといいます。自動車産業で繁栄していたときに、市の職員の採
用と待遇改善のため、民間レベルの年金と医療保険を採用し、市の
その負担が財政破綻の一番の原因だといいます。破産申請が認めら
れれば、職員の給与のカットや、年金の切り下げや、ごみ収集の広
域統合等を行う手段が認められることになりますが、連邦政府や州
からの救済はないのだといいます。議長は女性の黒人議長さんで、
日本のこうした場合の例を教えてほしいと真剣でした。

 デトロイト周辺には日本人学校があり、生徒数も全部で800人で、
全米1だといいます。日本人は郊外の高級住宅に住んでおり、デト
ロイト市内には日本の会社はなく、働いている人もダウンタウンに
はいないそうです。


【シカゴでは、医療と商品取引所を勉強】

 シカゴでは、民主党政権時に内閣官房参与として、わが国のがん
研究の一元的な体制づくりを進めるべく努力したものの、国内の各
省庁や学界の壁に阻まれ、結局はシカゴ大学に移り、がん細胞の増
殖を抑えるワクチン開発に成功された中村祐輔教授と面談しました。
シカゴ大学病院の綺麗さと施設のすばらしさに驚かされました。教
授は、私のTPPに関する質問にも、「日本発の薬の研究開発体制
が出来ていない。各省庁ばらばらだ。知的所有権の問題やジェネリ
ック医薬品の問題の前に、新薬の開発こそ必要」と憤っておいでで
した。

 このことは、ワシントン郊外の広大な敷地に林立するNIHの研
究所に18年前に留学し、そのまま残って、がん細胞に特定の試薬を
スプレーすることでがんの部位だけを光らせて、がんの切除を容易
にする新治療法を発表し注目されている小林久隆主任研究員の話と
も一致するものでした。こうした研究を国立の施設で1か所で行う
ことが成功の秘訣だといいます。この施設だけで1万5千人の研究者
がいて、全米では数か所で5万人に上るといいます(うち日本人は3
00人)。ペット(陽電子放射断層撮影装置)等の機械が何台もあり、
共同で使えて効率もいいということです。

 また、シカゴでは、北米最大の商品先物取引と金融先物取引を行
うマーカンタイル取引所を視察し、元連邦下院議長(共和党)を長
く務めたデニス・ハスタート理事と意見交換できました。私は、商
品先物取引の本山に来てふさわしい質問でないかもしれないと断っ
たうえで、「日本のコメは700万トンの流通で先物取引の試験上場
を行っているが、主食であるコメを投機の対象にしていいものかど
うかの反発がある。米国の長い穀物の先物取引の経験からしてどう
考えるか」と質問しました。これに対して、「日本のコメは、その
国で食される特殊なもの。品種も違うしバラエティもあり難しい。
成功している商品は世界で均一のもの。日本のコメは、日本の特殊
なものでないのか」という答えでした。よく研究されていると驚か
されました。


【ファンド会社では全く異質なものを体感】

 シカゴではもう1か所、数年前までは70兆円の運用資産を有した
投資会社の社長兼CEO(当時世界第12位)を務め、今は別の投資
会社のパートナーであるブラウン氏や、同社の他のパートナー等、
投資ファンド関係者と意見交換しました。想像もできないほどとん
でもない富裕層の投資アドバイスを行っている存在です。それぞれ
の皆さんは、鋭い眼をして、頭のいい顔をした人ばかりで、同行の
二之湯先生の弁によれば、数億円の報酬を得ている人達だといいま
す。世界の政治経済、原油等の動き、金融政策、世界の政治や事件
等々、ものすごい情報の中で、大変なのでしょう。毎日競争してい
て疲れた顔でした。この世界はどんな世界なのか想像できませんが、
わが国も含めて、すでにこうした世界に踏み込んでいるのであって、
必要悪なのでしょう。

 私としては、全く異質なものを体感できたわけですが、「これは
どんな社会なんだ」という、何とも言えない違和感を未だに消せな
いでいます。


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