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***山田としお メールマガジン No.229***
2011年7月11日発行
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海江田大臣の涙
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【末期症状の菅内閣】
びっくりしました。70日の会期延長に際して、菅総理の退陣時期
にメドをつけられない民主党内のごちゃごちゃの混乱の後、ようや
く開いた7日の予算委員会で、海江田経済産業大臣が涙を流しまし
た。
いきさつは新聞報道で詳しく報じられていますが、佐賀県の玄海
原発の再開を巡る動きの中で、海江田大臣が再開を急ぎ、ようやく
町長・知事の了解を取り付けたのに、総理がそれを許さず、より厳
格なストレステスト(耐性検査)の実施を条件として追加したこと
からです。自民党の礒崎委員の、「辞めたくないと官邸に籠城し、
辞めないで済むことばかりを画策し、世論に迎合する人気とりばか
りをし、突然、内容もよく定まっていない不可解なストレステスト
を言い出している菅総理には聞かない。佐賀県は大混乱している。
この責任を海江田大臣はどう取るのか」と問い質しました。
大臣は立ちあがり、答弁席でしばし涙をこらえていました。委員
会内はシンと静まり、私は、「大臣泣くな」と声をかけました。カ
メラのカシャカシャというシャッターの音ばかりが響いていました。
大臣は、「いずれ時期が来たら、私も責任をとらせていただく」と
いうのが精一杯でした。私も何故かもらい泣きしそうでしたが、海
江田大臣の我慢し通しだった様子はこれまでも何回かありました。
この日の朝の国会対策委員会でも私は、海江田大臣は辞職するのじ
ゃないかと発言したばかりでした。
原発事故の初動の対応で、総理が、発災直後にヘリコプターで事
故現場を視察し、ベントの実施が遅れ水素爆発につながったこと、
真水の注入では追いつかず海水を注入せざるを得なくなった時に、
海水注入は原子炉を廃炉にすることになるため判断が揺れるなかで、
総理が「海水の注入を止めろ」と怒鳴って指示したという事実の真
偽、そして、浜岡原発を停止するという突然の記者会見、これらの
責任を海江田大臣に押し付けてきました。これらを取り繕ってきた
のは海江田大臣でした。遡れば、今年正月の内閣改造で、海江田大
臣と東京1区で選挙戦を戦い負けて比例で復活した与謝野さんを
「税と社会保障の一体改革」の方針作成のために経済財政担当大臣
に引き抜いたこともありました。その際も、海江田さんは、得意分
野だった経済財政担当を降ろされ、経済産業大臣に回され、「人生
は不条理だ」と我慢させられていました。そして、今回の改造でも、
これまで担当してきた苦労を評価されず、原発事故担当大臣に総理
の覚えがめでたい細野大臣が就任しました。
【この国をどう復興するか】
こうした出来事の根源にあるのは、この原発問題をどう扱うのか、
内閣で覚悟が決まっていないことです。菅総理は、これも突然に脱
原発を叫び、それで世論受けを狙い、場合によれば「脱原発で解散
し勝利したい」という願望があるのでしょう。だから、玄海原発を
訪ね、原発再開を要請することなど、到底出来なかったのでしょう。
総理は、「経済産業省と原子力安全・保安院のやり方に不満があっ
た。国民に納得してもらえるよう国際原子力委員会(IAEA)が定め
るストレステストの検証が必要だ」と言うのは後付けです。
ともかく、一番の問題は、この内閣は、統一がとれていないこと
です。松本復興担当大臣は一連の暴言や行動で辞めましたが、あれ
は自爆です。私の、復興特別委員会での、農業者の二重債務問題と
関連しての農地の買い上げの質問後に、廊下で会った際に、「農地
は震災前の価格で国が買うべきだ。鹿野大臣には、先走ったことを
謝りましたが、しかし、水に浸かった農地を時価で買ったりしたら
復興などできません」と改めて強調し、「私が辞める時は、菅が辞
める時。菅が辞める時は、私が辞める時です」と言っていました。
不穏当発言は極めて問題ですが、菅総理に対してはよほど不満があ
ったのでしょう。
こうしたことの根源は、菅総理と民主党政権に、震災後のこの国
をどう復興するか、その方策はどうするのかの絵が描けていないこ
とにあります。「財政難の中でどう復興予算を作るのか。日銀引き
受けの復興債を発行し、復興景気を作りだし、デフレを解消する。
その後の景気回復の中で、消費税をお願いする」という経済戦略の
確信と覚悟ができていないということです。
原発事故は、長い時間はかかるが収束させる。生じた損害は全額
補償する。東電は、吐き出すものは全て吐き出して、一時国有化し、
再建に向けて国が全力を上げる。そして54基の原発は、徹底した安
全管理を行い、可能なものは稼働させる一方で、脱原発を進め、自
然エネルギーの開発に取り組む。そのための固定価格買い取り制度
の充実や発電送電のあり方も含めて9電力会社の見直しを行う、と
いう政策の方向についても覚悟ができていないということです。
【今こそ農林漁業復権のチャンス】
ところで農林漁業者は、今回の原発事故で大きな被害を受け、こ
れからも抱えていくことになります。牛肉にセシウムが検出された
ことはものすごいショックでした。原発事故というのはこういうこ
となんだ、と改めて認識しました。これ以上の原発推進は無理です
し、今ある原発も徹底した安全管理が求められます。そして必要と
なる太陽光や風力やバイオマスや小水力を生かした自然エネルギー
の開発は、まさに地域での取り組みを基本に、国民生活の見直しも
行いながら、国を上げた着実かつ段階的な取り組みを進めなければ
なりません。産業界の原発依存による競争至上主義、市場原理主義
の見直しを並行して進めるものでもあります。これまでの菅内閣の
「TPPに参加して、規制緩和して競争力をつけて、輸出拡大する」
「1.5%しか生産力の無い農林漁業は犠牲になっても仕方がないの
だ」という論理の徹底した転換が求められるのです。
まさに、脱原発は、反TPPにつながるものであります。脱原発で
ありながら、各国の自然や生活などそれぞれの国のありようを尊重
しながら、公正な貿易関係を築いていく方策があるはずです。まさ
にフェア・トレードです。歴史的、地球的な事故を起こしたわが国
は、その先頭に立つべきなのです。今こそ、農林漁業復権のチャン
スでもあります。
こうした理念と理論を構築し、それを支える政治力を結集する。
こうした運動をJAグループが先頭に立って作り上げましょう。
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