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***山田としお メールマガジン No.205***
2010年11月29日発行
山田としお公式ホームページ
(http://www.yamada-toshio.jp/)
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不満と危機感の国会終える
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1.「一度やらせてみたら」がこの結果
今国会も会期末を迎えました。開会直前の尖閣諸島問題、そしてTPP
参画問題、会期末に生じた北朝鮮の韓国攻撃等々、民主党菅内閣の外
交姿勢が問われる問題が連続した国会でした。
鳩山前内閣の普天間問題もそうですが、政権交代し、考え方の多様な
グループの寄せ集めである民主党には外交というか、日本という国の
あり方に対する定見が無いということ、「政治主導」とカッコ良く言ったも
のの党と政権の連携が全く出来ていないことなど、総理も含め各閣僚の
政権与党としての覚悟と訓練が全く出来ていないと思わせることが多々
ありました。残念ながら、多くの国民の、昨夏の「一度やらせてみたら」の
判断が、こうした外交問題で失敗を重ね、経済問題にしても、円高対策
で欧米諸国と調整するでもなく、日銀とやりあうのでもなく、自閉症的に
閉じこもり、前政権のツケだ失敗だと言うだけの内閣をつくってしまった
のです。
ところで私にも、「自民党は揚げ足とりばかりの質疑をしている、政策
論争をやるべきだ」とのメールが届きました。ご指摘、ありがとうござい
ます。しかし、こちらが政策論議を展開しても、いい加減な答弁しか返
ってこず、柳田法務大臣のようなことではどうしようもないということです。
ここは、政権交代に向けて、「政局をつくる」というのが野党としての自民
党の役割ではないのでしょうか。
2.不十分だったTPP追及
それにしても、今国会のTPP参加問題への対応は不十分でした。「包
括的経済連携に関する基本方針」がつくられてしまい、APECでは総理
がカッコ良く「第三の開国」をしますと挨拶し、そしてAPECが終わって
しまったら熱が冷めたように、国会での質疑も一気に低調になってしま
いました。与党民主党も、この問題について本会議の代表質問でかな
りきわどい政権批判を行いましたが、TPPに参加するのでなくて協議を
開始するだけだという基本方針が決まってしまうと、後は与党ということ
もあり追及は収まってしまいました。
自民党も十分追及できたわけではありませんでした。代表質問には
盛り込んでいましたが、質問者が時間切れで質問できなかったし、そ
の後の予算委員会でもどうしたことか十分な質疑がなされませんでし
た。私は、幹部にも申し上げましたが、「党内に異論があるからTPPの
問題は避けたい」ということでした。農業者があれだけ反対し、抗議し
ているにもかかわらず、きちんと受け入れられませんでした。
何故なのでしょうか。一つは、経済成長を果たすためには世界の需
要を取り込むことが必要であること、二つは、中国との関係よりも米
国との友好関係を維持してゆく必要があること、三つは、成長と国際
化を阻害している農業問題や人の移動の問題については、自民党とし
ては容易に手がつけられないので民主党が政権を持っている時に片づ
けてもらう方がいい、というようなことがあるのではないのかと疑ってし
まいます。
3.農林水産委員会でTPP問題を質疑
ところで、私は我慢できないので、予算委員会で時間がもらえない
のなら農林水産委員会でやることとし、25日に質疑に立ちました。40
分しか時間がなく残念でしたが、次の点を追及しました。
一つは、基本方針は、「包括的経済連携」「広域経済連携」「経済
連携」と正確な定義がない言葉が躍っている矛盾の多いものであるこ
と。
二つは、EUや韓国等の間でそれぞれの事情を踏まえて締結できる経
済連携協定の交渉を進めるとする一方で、関税撤廃を前提とするTPPに
参加することは矛盾するし、すでに二国間で締結している国々からは
見直しが迫られるなど混乱するだけであること。
三つは、WTO交渉において、わが国は、「多様な国の農業の共存」を
主張し、EUやアジアの国々と連携してきたにもかかわらず、これまで
対立してきた米国や豪州と関税撤廃を前提とする協議を行うというこ
とになると、今後どういう立場で交渉に臨むのか、まして各国からの
信頼を大きく失うことになること。
四つは、TPPを最も強力に進めたがっていた前原外務大臣がさっそく
豪州を訪問し、EPAの交渉再開を申し入れたとのことであり、「すべて
の品目を自由化の対象とする」との方針のもとで事態はどんどん進ん
でいること。
五つは、関税撤廃以外の非関税措置は内容がまったく明らかにされ
ていないことです。EUや韓国との間では、関税以外の取引慣行や政府
調達への外資の参入等が焦点になっていたし、米国との関係では、こ
れまでも対日年次改革要望書で要求されていたように、保険・共済や
金融やサービス等々の数知れない多くのことに米国基準を要求される
のではないかと追及しました。これに対して、松本外務副大臣は、
「協議になるとこれらの内容はさらに明らかに出来ない」と答弁しま
した。これはとんでもないことであり、「内容が分からなければTPPへ
の参加・不参加が判断できないではないか、明らかにすべきだ」とさ
らに追及しました。
政治的にはAPECが終わったので、一丁上がりの雰囲気になっていま
す。しかし、「すべての品目を自由化交渉の対象にし、高いレベルの経済
連携を目指す」と、カッコ良く宣言した事実は大きく、期待感を抱いた各国
から様々な注文がつくでしょう。平野内閣府副大臣や松本外務副大臣等
は、「交渉に参加していないのだから答えられない」との答弁を多発して
いましたが、これを隠れ蓑に何でも進めるということです。まさに事態は
着実に進んでいるのです。
農業の改革についても、どういう内容を、どんな手順でどういう体制で
行うのか、質疑する準備をしていましたが、時間が足りず後日としました。
しかし、今国会はまもなく終わってしまうので機会がありません。残念で
す。不満だらけで、かつ危機感が深まる国会でした。
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