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***山田としお メールマガジン No.203***
2010年11月8日発行
山田としお公式ホームページ
(http://www.yamada-toshio.jp/)
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菅総理は日本を売り渡すのか
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1.自民党「TPP参加の即時撤回を求める会」を立ち上げ
自民党の国会議員の半数以上にのぼる110名(衆議院117名の内59名、
参議院83名の内51名)の参加による「TPP参加の即時撤回を求める会」
が4日に発足しました。
森山衆議院議員(鹿児島)が会長、稲田衆議院議員(福井)が幹事
長、そして私が事務局長に就任しました。
総会では、出席の議員から活発な意見が出されました。意見の多く
は、TPPが単なるモノの貿易にかかわる関税の撤廃だけが焦点ではなく、
郵政・金融・保険・政府調達(公共事業の入札)・医薬品・人の移動
など、全ての分野を含んだ包括的なものであることから、農林漁業だ
けの問題でなく、わが国のあり方にまでかかわる問題であること、そ
れゆえに国民生活を脅かすものであり、そうした観点から訴えていく
必要があるというものでした。
もっともな意見であり、すでにTPP加盟国間では、市場アクセス(モ
ノの貿易)にとどまらず、政府調達、知的財産権、競争政策、金融・
通信等サービス、環境、労働、紛争解決等、24の作業部会が動いてい
るといいます。米国の信頼のおける情報誌である「USインサイド・ト
レード」も、さっそく「日本の参画は歓迎である、永年の課題である、
BSEで制約を与えている牛肉の月齢による輸入制限の撤廃、郵政問題の
解決が見込まれる」と論評していました。
そうした観点で、TPP参加の即時撤回を求める会の決議も、「国民生
活の安定を脅かし、『日本』という国のあり方までも俎上に載せるも
のであり、わが国の多方面における国益を著しく損ない、わが国の将
来に深い禍根をもたらすものであると断じざるを得ない」としました。
まさにこれがTPPの本質なのです。
それにしても、この会に自民党議員が全員加入しているわけではあ
りません。党三役をはじめとする執行部、さらには、低迷するわが国
経済の現況を改めるためには成長を目指してより一層の国際化が必要
であり、わが国経済が一番依存している米国との関係強化こそはかる
べきであるとする主張もあって、そうした議員は加入していません。
しかし、こうした意見の皆さんにも、TPPの持つ危険性を理解して加入
して頂きたいと思います。
また、党内には、「農業改革はずっと課題だったので、この際、民
主党に責任をかぶせて農業改革を進めるいい機会だ」という意見もあ
るようで、これは大変に怖いものです。とりわけ、3年前の食料危機や、
2年前の金融危機では鳴りをひそめていた市場原理主義者が、再び新聞
やテレビに登場し、今がチャンスとばかりに農業批判をやっています。
どこかが意図的にやらせているのかもしれません。
2.民主党も菅総理を攻撃
ところで国会では、4日の代表質問で、民主党の舟山議員が菅総理批
判を展開しました。この演説には、野党の自民党席から大きな拍手が
巻き起こりました。先輩議員に言わせると、野党席からこれだけの拍
手が起きたのは記憶にないということです。「自民党に来い」という
ヤジまで飛んでいました。
舟山議員の質問のポイントは、一つは、TPPは、農業にとどまらず政
府調達や人の移動等を含めたものであり、国の形が大きく変わるもの
であること、二つは、前原外務大臣は「第一次産業の1.5%に、98.5
%が犠牲になっている」と発言しているが、これは農林漁業の持つ多
面的機能の評価がなされていない暴論であること、三つは、菅総理は
参院選において消費税問題を取り上げ、民主党内の反発を受けてすぐ
に引っ込めたが、TPP発言もこれと同じであり、党内で全く議論がなか
ったこと、四つは、TPPに参加しても安価な製品輸入や低賃金の労働者
の国内流入で雇用や物価を引き下げることとなり、デフレは解決しな
いこと、五つは、TPP参加の9カ国のうちの過半は旧英国領の国々であ
り、その基準が押し付けられるだけで、日本とは風土も文化も慣行も
違うこと等々でした。全くその通りです。
本会議の帰りに会った民主党議員によれば、これは舟山議員の個人
プレーではなく、党として質問してもらったことだということです。
当然ですが、それなら民主党として、党代表である菅総理にいい加減
な判断をさせない取り組みが必要なのであり、それが出来ないのなら
政局にすべきです。TPP問題はそれほどの重大事なのです。
3.納得できない「関係国との協議の開始」
6日には、福岡県農政連福岡地区の1千名の緊急集会に出席し、情勢
報告の役割をいただきました。民主党議員の出席もあったので、あか
らさまな民主党批判は避けましたが、お集まりになった皆さんの危機
感は相当なものでした。それはそうです。これが実施に移されると、
農林漁業のみならずこの国が潰されてしまうからです。「貿易自由化
と農業振興を両立させる」「そのために農業に対策費をつぎ込む」と
か言われても、米国や豪州の農業に太刀打ちできるようになるとは、
皆さん全く信じていないからです。
ところで、菅内閣は、TPPについて「情報収集を進めながら対応して
いく必要があり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国と
の協議を開始する」という基本方針を固めたようです。前文でいろい
ろ言っても結局は「関係国との協議を開始する」ということになって
います。これには納得できません。何としても、「協議させない」
「参加させない」取り組みを強化してゆかなければなりません。
5日の参議院農林水産委員会で行われたTPP集中審議において、鹿野
大臣は、一瞬言葉が詰まり、涙を流したようにも見えました。閣内で
は多勢に無勢で相当努力しておられるようですが、大臣、感傷的にな
ってはいけません。この問題の本質は、鳩山前総理の普天間問題、菅
総理の尖閣諸島問題等の外交失敗を取り返すための、米国に対するご
機嫌取りなのです。こんなことでこの国のあり方を変えられてはたま
ったものではありません。しかし、この機に乗じて、外務省や経産省
の役人の年来のシナリオを実現させようという意図を見失ってはいけ
ません。被害者だと見られている農水省にもそういう考えの役人がい
ないわけではありません。米価を低落させて、先の見えない競争導入
と構造改革に取り組むチャンスと見ている輩がいます。鹿野大臣、こ
れは『日本』を守る闘いなのです。
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