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***山田としお メールマガジン No.183***
2010年4月28日発行
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決算委員会で規制・制度改革を追及
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1カ月ほど前、同僚の丸山和也決算委員会理事が、ほとほと困り
果てた声で決算委員会での質疑を求めてきました。しかしその日は、
災害対策委員会があり、その翌々日には農林水産委員会での質疑を
予定していたので、「とてもじゃないが無理です」と断りました。
それ以来ずっと申し訳ないと思っていましたが、あらためて丸山
理事から「4月26日に質疑をどうだ」という申し入れがあり、意を
決して受けることにしました。
というのは、内閣府の行政刷新会議が「規制・制度改革に関する
分科会」を設け、3月29日に分科会、4月2日には農業ワーキング・
グループを開催し、市場原理や農業批判を行ってやまない委員が選
任され、このままでは、民主党に農協は潰されかねないという危機
感が沸き起こったからです。そこで分科会の会長である大塚内閣府
副大臣と対決するとともに、農政担当の赤松大臣に警告を発しよう
と考えました。
我慢ならなかったことの一つは、委員の人選です。前政権の規制
改革会議から8人もの委員が選ばれ、それも市場原理を主張する委
員が中心的に選ばれていることです。まして、テーマも前政権の会
議が焦点にしていた農業・農協を攻撃する独占禁止法の適用除外の
廃止や、農協に対する金融庁検査・公認会計士監査の実施などをそ
のまま踏襲しているのです。ところが、前政権の会議がまとめてい
た戸別所得補償制度の見直しは、ちゃっかりとテーマから外してい
ました。「国民生活が第一」と言いながら、現政権は、前政権の
市場原理主義、構造改革、国際化の流れをより一層進めようとして
いるのです。一体どちらを向いているのでしょうか。
二つは、著書『農協の大罪』などで、よくもこれだけ農協の悪口
を言えるものだと、吐き気がする元農水省の部長だった山下氏が委
員に選ばれ、相変わらずの農協批判を展開し、信用・共済事業の分
離や、組合員制度の見直し等の思いつきの提案をし、テーマとして
議題にすることになってしまいそうだったからです。会議の議事録
によれば、山下氏は、なんと「ここで結論を出す必要はなくても、
この場でこういう項目が議論に上がったということがいろいろな人
に対してインパクトを与えると思うんですね。それに多分脅威を感
じる人もいると思うんですよね。そういう人に対するメッセージと
して、別に結論を出す必要はないんだけれども、この議論でこうい
うテーマが出されて、それは後々の再検討になると。それは農協に
ついてまとめられるのもいい」とすら発言していたからでもありま
す。
この山下氏の発言を指摘したところ、さすがの大塚副大臣も、
「誤解を受けるような発言は厳に慎まなければならない。改めて徹
底する」と答弁せざるを得ませんでした。
三つは、政治主導と言いながら、実際は事務局主導になっている
のではないかという点です。これは、前政権の事務局35人のうち9
人は人事異動したが、残りはそのままで、委員の選任にもテーマの
選定にも深くかかわっていることが大塚副大臣からの答弁で判明し
ました。また、赤松大臣は、前政権の規制改革会議の議長だった草
刈氏が引き続き残ったことや、草刈氏の出身元の日本郵船等の企業
から職員が出向していることなどの内情を暴露し、赤松大臣として
は承服できない体制だとして、「山田委員に向かって答弁している
が、実際は大塚副大臣の方に言っている」とまで答弁の中で言い切
ったのには私の方がびっくりしました。
四つは、現行でも農協は独占禁止法の適用除外とされていても、
不公正な取引は厳に禁止されており、前政権時に不公正取引を厳に
無くすることで整理を付けたにもかかわらず、この問題を再度持ち
出していることです。世界の85カ国、8億人が結集している国連の
国際協同組合年が2012年に予定されている時に、世界の潮流に逆行
することを日本はやろうとしているのか、その見識が世界的にも疑
われることになるのではないかと申し上げました。大塚副大臣は、
「国際的な動きも踏まえて平仄の取れたものにしたい」と答弁しま
した。
五つは、信用・共済事業の分離問題について、地域で総合事業を
行う農協と郵便局は構図が同じであり、郵政改革では国が出資して、
国が関与して郵貯・簡保事業を展開することを決めた。農協の総合
事業も同様だ。郵政改革を進めた大塚副大臣が、「農協は別だ」と
言うのは論理矛盾だと攻めました。
このほか、まん延防止や発生農家の経営対策等が求められる口蹄
疫対策と、宮城気仙沼湾のチリ地震津波被害対策について質疑しま
した。
質疑が終わってから、丸山理事が飛んできて、「いい質問だった。
感服したよ」と声をかけてくれました。
まあ、自分自身の存立にかかわるテーマだから当然です。頑張
ります。
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