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山田としお メールマガジン165号
自民党敗北の背景

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    ***山田としお メールマガジン No.165***   
   
                 2009年10月15日発行

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      (http://www.yamada-toshio.jp/)

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             自民党敗北の背景

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 総選挙敗北以上のショックでした。

 というのは、10月14日に日本農業新聞が発表した読者500人に対
する意識調査(回答者450人、うち専業農家38%、兼業農家38%、
農家以外24%、男性49%、女性51%)の結果です。

 「鳩山内閣の支持率」は、支持する50.2%、支持しない12.7%、
どちらともいえない37.1%であり、まあこんなものかという感じで
す。しかし、「政党支持率」は民主党34.9%、自民党25.6%、支持
政党なし30%と、調査開始以来初めて両党の支持率が逆転しました。
農村部までこうした事態になっているのか、とガーンと大きな
衝撃を受けました。

 「どの政党の農政に期待しますか」との問いに対しては、民主党
42.4%、自民党35.1%なので、民主党が公約に掲げた戸別所得補償
制度への期待と、自民党の対象農家に制限を加え、かつ補てん水準
が必ずしも十分でない経営所得安定対策への不満が表れた結果とい
うことなのでしょう。

 もっとも、「鳩山政権の農政運営で懸念されるもの(複数回
答)」で最も高かったのは「日米FTAの交渉入り」36.2%、次いで
「WTOなどの農産物交渉で、農業を守る毅然とした交渉ができな
い」36.0%なので、懸念を持ったうえでの民主党への期待でもある
ようです。

 いったい、自民党は、これまで何をしてきたのでしょうか。いっ
ぱい汗をかいてきたという思いがあるだけに残念です。

 私は、このことを十分に考え、自民党農政を改革し、民主党に対
峙して行きたい。

 ところで、もう一つ気になるアンケート調査がありました。

 10月8日のこれも日本農業新聞の国会議員へのアンケートで、254
人が回答していますが、「農業・農村の振興の面からJAグループの
役割をどう思いますか」の問いに対して、「今後、役割は高まる」
19.2%、「これまでと変わらない」2.8%、「今後、役割は低くな
る」3.6%、「改革姿勢や取り組み次第で評価が決まる」73.2%だ
ったことです。

 政党別の詳細はわかりませんが、解説と図表から察するに、自民
党は「今後、役割は高まる」とする回答は45%程度、「これまでと
変わらない」5%程度、「改革次第」も50%程度あります。一方、
民主党は「役割は高まる」「役割は低くなる」が各5%程度で、
「改革次第」が90%を占めていることです。

 JAがこのままでいいとは当事者の組合長はじめ役職員も考えて
はいません。私もそうです。しかし、「改革次第」という放り投げ
たような回答に対しては、納得がゆきませんが、十分心してかかる
必要があります。

 さらにもう一つ、これはもっと専門家にきちんと分析してもらい
たいことがあります。小選挙区制と2大政党化のもとで、前回の自
民党の大勝(小選挙区219、比例77、計296)、民主党の大敗(小選
挙区52、比例61、計113)と、今回の民主党の大勝(小選挙区221、
比例87、計308)、自民党の大敗(小選挙区64、比例55、計119)は
まったくオセロゲームのように表裏逆転した形であり、この背景で
す。

 投票率の増加(2%増で252万票増)、共産党が小選挙区で候補者
を立てなかった分の票の移動(196万票)、みんなの党へ分かれた
票(小選挙区62万票、比例代表301万票)等を勘案すると、全体の
投票総数7,000万票のおよそ11%の800万票が自民党から民主党に動
き、議員数で、自民党が177人減、民主党が195人増と様変わりしま
した。「タラレバ」は通用しませんが、800万票の半分の400万票、
全体の6%が自民党にとどまれば議員数は両党でほぼ均衡していた
ことになる計算です。

 これが小選挙区制度の怖さです。これで、政治が大きく変わりま
した。

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