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***山田としお メールマガジン No.148***
2009年4月27日発行
山田としお公式ホームページ
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容認できない「WEDGE」の記事
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自分たちのやっていることがすべて正しくて万全ということはあ
りません。だからこそ、批判は甘んじて受け入れるし、少しでもい
い方向へ進むべく努力もします。これは当然のことです。
ところで、自分を売り込む意図で、どこかの誰かの意向に沿うよ
うな提灯記事を書く。そのためには、借り物でも何でもいい理屈を
探してくる。自分がどこかで話したことと矛盾してもかまわない。
自分を売り込めればいい。そんな人から受ける批判は、絶対に容認
できません。
大泉一貫氏(宮城大学副学長)の「WEDGE(ウエッジ)」5月号の
「農協、族議員の利権『減反』を廃止せよ」はまさにその典型です。
記事では「生産調整をタブーなく議論するとする石破農相の足を
引っ張るのは自民党農林族・農協で、農相は孤軍奮闘だ」とゴマを
する。それはそうです。大臣と、その意向をくみ取った官僚に、農
政改革6大臣会合の検討作業チームのメンバーに選ばれた恩義がある
からでしょう。
また、「減反で米価を維持するのは、国の財政負担と国民の家計
負担の二重負担であり、零細農家の温存策だ」とまで書いています。
どこかの番組で「米価を引き上げないと担い手農家すら破綻する」
と言っていたのは、いったい、いつのことだったでしょうか。
さらに、「農協は、米価維持と生産調整強化を主張し、手数料収
入と兼業農家や自給農家の口座確保というコメビジネスを利権化し
ている」と書いています。そして、その利権を維持するために自民
党農林族議員と農協は一体となって官僚を動かしており、元凶は「
『票と俵』のバーターだ」と、むかしむかしの古ぼけた借り物の議
論を持ち出してきて批判しています。最後には、言うに事欠いて、
農協は政治的に中立であるべきとまで書いています。
いったい、今、農協の誰が、米の手数料収入維持のために米価維
持を求めているのでしょうか。全国各地の農協は、農家の生産コス
トを何とかカバーできることを念じて、生産調整の目標達成と良品
質米の生産と販売に必死に取り組んでいます。そして、農業者の営
農と生活上の要求をいささかでも実現するために政治への働きかけ
を行っているのです。それなのに、いったい、誰が、利権を守るた
めに政治活動をやっているというのでしょうか。全く的を外れてい
ます。
生産調整は、米の需要減のなかで、不足する作物の定着と、それ
による所得の向上を目指して苦労しながら取り組んでいます。にも
かかわらず、こうした切実な取り組みを「利権」という言葉に絡め
て意図的に攻撃し、国民の批判にさらそうとしているのです。学者
なら、どうしたらこの問題を克服できるのか、実態を踏まえて、き
ちんとした論理を展開すべきではないでしょうか。
ところで、農水省は、この人物を、さらに「農協新事業像の構築
に関する研究会(仮称)」のメンバーに選ぶようです。こんなひど
い記事が出ることがわかっておれば選ばなかったということかもし
れませんが、農水省に言わせると、「賛成論者も反対論者も両方の
意見を平等に聞くのが基本」だそうです。そういうことだから、批
判だけで存在を示そうとする者が出てくるのです。もっと、あるべ
き方向へ向けて、建設的に議論をリードしていく形が取れないもの
でしょうか。
全国各地で田植えを控えている今の時期に、生産調整の良し悪し
や、どちらがいいのか、選択制だ、などと議論してどんな成算があ
るのでしょうか。
今、重要なことは、本年を「水田フル活用元年」として、また適
正な米価の実現を目指して、計画生産の取り組みを着実に進めるこ
とではないでしょうか。
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