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***山田としお メールマガジン No.137***
2009年1月26日発行
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求められる与野党合意
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第2次補正予算の4日間の予算委員会、じっと座って耐えてきまし
たが、成立のめどがようやく立ってきました。
といっても、野党多数の参議院では、政府が提案した予算案は否
決、定額給付金部分を削除した野党の修正提案を可決、財源の論拠
となる関連法案はそのまま放置というものです。
いずれにしても、予算案本体は野党が態度を明らかにしたため、
憲法の規定により、両院協議会を開くもまとまらず、最終的には衆
議院の議決が優先し成立となります。ただし、関連法案については
態度不明のため、このままでいくと60日たってから衆議院で再可決
しないと成立しないし、執行もできません。しかし、なんとか年度
内には成立させることができる計算になります。
一方、これで衆議院は、21年度本体の予算と関連法の審議に入れ
ることになり、これらを1月中ないしは2月上旬に衆議院で可決し、
参議院に送付できれば、参議院の審議いかんにかかわらず、30日後
には予算案を、関連法案は60日後の4月上旬には成立させることがで
きます。ねじれ国会とは、かくも手間がかかるということです。
ところで、4日間にわたる予算委員会の印象が、3つあります。
1つは、雇用問題についてで、「すべて政府与党が悪い」という論
議だけでいいのかということを強く感じました。
これまで企業の国際競争力の確保のため、また多様な就業形態が
あってもいいということで、経営側・労働側が一体となって非正規
雇用の派遣の仕組みを制度化し拡大してきました。経済が成長し、
労働の需要も伸びていた時は問題がなく、非正規雇用が全体の3分の
1を占めるまでになってきましたが、突然の金融危機と経済不況のも
とで、経営側の派遣切りが進みました。今年度末までに全国で9万人、
うち派遣社員6万人の雇い止めが生じると報告されています。とりわ
けブラジル等の日系人の首切りは、国際問題となっています。
経営側は、多額の内部留保を持ちながら簡単に首を切る。一方の
労働側も、派遣労働者を組織しないできてしまいました。野党は、
「何の手も打っていない」と政府与党を批判しますが、民主党の背
後にいる労働組合は果たして経営側に対峙していたのかどうか。き
ちんと対峙しないで政府与党に責任を転嫁しています。民主党は反
省が必要です。ここは与野党が合意し、これまでの雇用の規制緩和
や自由な競争に任せるやり方を改め、政府も「個別企業と労働側の
契約に立ち入れない」と言うばかりでなく、正規労働と非正規労働
の垣根を超えたワークシェアリングなど大胆な法律対応を行うべき
です。
2つは、定額給付について、麻生総理の発言がブレたことや、バラ
マキだからということで、「ただ廃止しろ」と言うだけでいいのか
ということです。
今回の定額給付は、個人の納税額を直ちに明らかにできないとい
う情報管理上の問題もあって、一律に定額給付金を払うことにした
ものです。オーストラリア、米国、イギリスなどでも、同様の政策
を経済危機に対応して工夫しながら実施に移しています。民主党は、
以前、マニュフェストで給付付き税額控除を主張していましたが、
全国民に納税背番号制度を導入しないと対応できないということが
明らかになって引っ込めた経緯があります。まして民主党は、廃止
に代わる対案を出しているわけではありません。ただ不人気だから、
ここは総理を追い込めるという、政局づくりだけの攻撃です。これ
も「後出しジャンケン」そのものです。
3つは、第2次補正予算には、生産調整実施者に対するメリット対
策や畜産の自給飼料対策等が盛り込まれ、石破大臣の生産調整見直
し発言等もあり、質疑したかったのですが、ほとんど論議にならな
かったことです。いつでも対応できるように準備していたのですが、
残念です。21年度本予算の審議に期待します。
この間、新聞等の報道を賑わした「社会保障の安定財源確保のた
めの税制中期プログラム」における消費税の扱い論議にも出席し、
これも都合4日間にわたる喧々諤々(けんけんがくがく)のやり取
りを聞きました。「不断の行財政改革と無駄の排除を前提に2011年
から消費税を含む税制の抜本改革を行うこと」「その実施にあたっ
ては景気回復の状況を見極め、成長が見込まれる段階に達している
こと」で、決着しました。各議員の主張の違いはあれ、その情熱と
力にはおおいに感心させられたし、麻生総理はこの問題では全くブ
レませんでした。
総理の頑張りに期待します。
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