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***山田としお メールマガジン No.046***
2007年5月16日発行
山田としお公式ホームページ
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山田としお日記 No.072 最北の国から (2)
―4月25〜26日 北海道―
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オロロン海岸をさらに北上して宗谷地区のJA豊富町を訪ねました。
豊富町には思い出があります。40年前の学生の時、恩師の外木教
授に下北半島の調査に連れて行ってもらいました。その際、民俗学
者の宮本常一さんもご一緒で、多くの話を聞かせてもらいました。
今から思うと、私にとって、人生の方向を決める大切な機会でもあ
りました。
帰りは、1人で青森からふるさと富山まで。当時、青森から大阪ま
でを走っていた特急白鳥に乗りました。隣りの席で若い女性と一緒
になりましたが、北海道の豊富の酪農家に嫁ぎ、実家の新潟・長岡
に帰るのだそうです。手は赤ぎれ、顔も荒れていました。悲しそう
でもありました。体調を崩し、帰るのかなとは思いましたが、酪農
家の嫁として大変な苦労をしていることがうかがえます。富山に帰
ってから、地図を開き、豊富が最北の地であることを確認したこと
を覚えています。元気になって豊富に帰れたのかどうか、今も思い
出すことがあります。
それ以来の豊富です。厳しい風土の中で、豊富の皆さんが、元気
でやってゆける、そうした政策確立に頑張りたい。40年前のことを
思い出しながら決意しました。
日本海側の豊富から、オホーツク海側の枝幸(えさし)へ90km
ある山道を走りました。平原は雪が覆い、湿原は、ふきのとうが顔
を出していました。
翌日は、オホーツク沿岸を北へ、JA北見枝幸、JA歌登、JA中頓別
町を訪ねました。圧倒的な酪農地帯です。
JA北見枝幸の向井地組合長の「何としても夢を実現させないと、
農業と農協は守れない」との決意は切実でした。
JA歌登には、宗谷森林組合の村上組合長さんもかけつけていただ
きました。かつては、林業も盛んで、歌登だけでも木材工場が10社
程度もありましたが、今は隣町を加えてもゼロだそうです。当時は、
大学へ行かせてもらったのも山のおかげ、という時代だったそうで
す。市場開放が一足先に進んだ林業の二の舞にならないよう、酪農
も関税措置と価格安定の制度・仕組みの維持・改善が必要です。
JA中頓別町からJAひがし宗谷に向う原野と牧草地は、広大でした
が寂しかったです。ここで酪農を中心に農業がなされています。ま
さに、酪農の制度・政策があってこそ、この地域の生活の維持につ
ながっています。ここでも廃屋が目立ちました。曲がりくねった川
は、原生花園を形成しています。
JAひがし宗谷は、猿払支所で総代懇談会を行っていたので、多く
の酪農家の皆さんに挨拶できました。この地への移住は、今、2代目
が中心で、3代目は若い人達で、まだ日が浅く、十分な基盤整備がで
きていないので、今後の対策強化について注文がありました。
いよいよ最果ての地に向けて、雪がまだまだ一杯の宗谷丘陵を走
りました。なだらかな丘は、氷河期のなごりといいます。ところで、
このあたりも、かつて天北線という国鉄が走っていて、今も鉄路の
土台だけがヤブにつつまれながらも残っています。それにしても、
かつての国鉄は、よくここまで鉄路を敷いたものだと感心しました。
JA沼川のあたりは、牧草の生産性が低いため、平均60ha程度の牧
草地が必要になりますが、離農があっても家族経営ではこれ以上拡
大できないし、施設の整備をやろうにも、農地の価格が低いため担
保力がなく融資も拡大できないといいます。厳寒の国境の地で持続
的な家族経営が一定の規模でやってゆける経営安定対策が何として
も必要です。
かつてはそれなりににぎわっていた沼川も、7つの小学校が統合し、
商店もなくなり、Aコープも古くなったが閉めるに閉められないと
いいます。延々と走っても家がありません。
宗谷海峡は、曇天のせいもありますが、深い暗色でした。サハリ
ンまで43kmですが今日は見えません。
JA稚内を訪ねました。北海道最後のJA訪問です。ようやくここま
で来たという達成感で胸が一杯になりました。
北海道の皆さんありがとうございました。
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