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***山田としお メールマガジン No.350***
2015年2月12日発行
山田としお公式ホームページ
(http://www.yamada-toshio.jp/)
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JA改革案まとまる
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【JA全中は一般社団法人へ】
JA改革の具体策が決まりました。と言っても、「JA改革」と
いうよりも「JA全中改革」、もっと言うと「JA全中はずし」と
いうことでいいのでしょう。
自分が38年間務め、今も係る大事なJA全中の大幅な改編が決ま
りました。本当に残念です。もっと議論がなされ、政治的にも何ら
かの知恵が出せるものと期待していましたし、多くの皆さんからも
ご心配いただき、応援もいただいていたのに、突然終わってしまい
ました。
【監査は、選択制へ】
と言って、私が無茶な要求を抱えていたわけではなく、JAやJ
A全中をとりまく環境は理解していたつもりですし、現下の状況で
実現しうる案だとも考えていましたが、そうなりませんでした。
私の案は、総理はじめ官邸の強い意向の中で、昨年6月に党がま
とめた「中央会は自律的な新しい制度に移行する」との観点から、
JA中央会は一般社団法人化するとしても、JAの監査は、農協法
で一定の規定を行ったうえで、一般社団法人化するJA中央会がそ
のまま引き継ぎ、JAはその監査か、それとも公認会計士法による
監査法人監査の「選択制」とするものです。重要な関係者にも働き
かけていました。しかし、この方向は実現せず、JA全中は、農協
法に一定の移行規定は定められるものの、農協法から外れた一般社
団法人となり、監査事業もJA全中から外されて、公認会計士法に
基づく監査法人になり、JAは、そのJA系の監査法人の監査か、
その他の監査法人の監査を選択できることとされました。
監査事業を外されたJA全中は、これから代表機能や総合調整機
能を果たすことになるとされているものの、きちんと存在を示し、
役割を果たせる組織にできるのかどうか。また、切り離しとなった、
業務監査も行うJA全国監査機構は、JAから選択してもらえる監
査法人としての体制を作り得るのかどうか、大きな苦労を抱えるこ
とになります。
【准組合員の規制は先送り】
こうした結果となった要因は一体何だったのでしょうか。
一つは、政府が准組合員の問題を持ち出し、全中を農協法から外
すことを選ぶか、准組合員への利用規制を受け入れるかどうかの選
択を迫ってきたことです。これは効いたと言わざるを得ません。都
市化地域のJAにとどまらず、全国連も、事業面から准組合員への
規制反対を選ぶこととなりました。
二つは、政府が党の小人数会合に示した案は、県中央会は当面現
状のままに残し、4年後には連合会に移行することができるとして、
県中央会と全中との分断を図ったことです。
JA全中は、理事会や全国会長会議等の機関会議を積み上げて議
論したようですが、孤立させられてしまったということだと思いま
す。もの凄くうまいやり方でした。
三つは、官邸の異常なまでのJA全中はずしへの執念です。それ
はマスコミの報道に表れていました。政府が党の少人数会合に出す
案は、その場で回収されて、我々の目にすら届かないにもかかわら
ず、新聞は連日報道し、世論作りを行っていました。「JA全中が
監査と指導でJAを統制しているから、JAの自由な事業展開と農
業者の所得増大の実現を阻んでいる」というキャンペーンでした。
このことについてはJAグループにも責任があると言えます。と
いうのは、各紙の社説にまで何度も登場し、その取り組みが何度も
何度も紹介されていた特定のJAのことです。このJAは、「統制
から外れた自由な取り組みで経済事業を黒字にし、生産者に還元し
ている」と褒めそやされていましたが、このJAの子会社による事
業たるや、その経費には営農指導員の経費の応分の負担等を含まな
いものであり、とうてい黒字とは言えないものだったようです。J
Aグループというのは、ややもすると仲間のJAの非難を避けるき
らいがあるようですが、事実は事実としてきちんと説明すべきだっ
たと思います。これは何としても残念で悔しいことでした。
【今後も続く規制改革の攻撃】
JAグループは、これから大きな課題を解決してゆかねばなりま
せん。
一つは、新しいJA全中の仕事や体制をきちんと作り上げねばなら
ないことです。
二つは、分離するJA全国監査機構が、JAの監査法人として、き
ちんとJAから選ばれ、社会的にも評価されるものに育て
上げてゆくことです。
三つは、JA都道府県中央会の連合会への移行が着実になされなけ
ればならないことです。
四つは、JA全農の株式会社化の選択や、准組合員の実態調査も踏
まえたあり方についての議論がまだまだ続きかねないこと
です。
五つは、規制改革会議は、これで攻撃を止めることはないのだと思
います。規制改革会議の委員の構成や各委員のこれまでの
発言の内容からして、さらに注文が増すと思います。なぜ
なら、在日米国商工会議所等による、国のあり方を無視し
た平等性の確保と、自由な競争で金融・保険を中心に利益
を求める主張は、止まないからです。
【自主改革の実践で、力強いJAをつくりあげよう】
それにしても、今回多くの議員がJA改革の議論に参加し、地域
の実態を踏まえた意見を開陳していただきました。本当にありがた
かったです。このことは、今後の議論や検討に大きな力になると思
います。そして、今回、農業とJAに集中された岩盤規制打破の動
きは、今後、同様な形で続くであろう医療や雇用等に関する論議に
つながっていくことでしょう。「他山の石」にしてほしいというこ
とです。そうしなければなりません。本日の、総理の施政方針演説
は、これからの困難を予想させます。
もちろん、JAグループは、きちんと、そして早急に自己改革に
取り組み、農業者と国民の支持を得てゆかねばなりません。全力で
頑張りましょう。
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