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山田としお メールマガジン346号
自民党大勝、JA改革・米価対策にどう取り組むか

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    ***山田としお メールマガジン No.346***


                     2014年12月16日発行

                山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)

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    自民党大勝、JA改革・米価対策にどう取り組むか

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【見事な安倍総理の電撃解散戦略】

 自民党が大勝しました。それも2年前に圧倒的に大勝して政権を
取り、4年の任期のうち、わずか2年での解散・総選挙でした。この
間の経緯や評価は、選挙期間中、多くの皆さんが評価しておられる
ので、もう私が下手な解説をするまでもありません。ともかく安倍
総理の判断が的を射たということです。

 電撃解散の理由は、次のことがあったのだと思います。
 ・消費税増税は状況として難しいこと
 ・そのことが財政再建問題とも関連して、党内外からも多くの意
  見や批判・攻撃が出るため、このままでは今後の政権運営が難
  しくなりかねないこと
 ・野党の選挙準備が全くできていないため、与党の数を減らして
  でも勝利は得られること
 ・4年の任期のうち、今後2年内での選挙のタイミングが難しいこ
  と
 ・ここで相当の勝利を得ておくことができれば、来年9月の総裁
  選では対立候補は出ず、もし出ても勝利できれば、残りの3年
  間は総裁・総理を継続できること
 ・ また、集団的自衛権にかかる法整備、成長戦略の具体化、TPP、
  対中・対韓等諸外国との外交問題等、今後の難しい課題につい
  て、主導権を発揮した政権運営ができること


【私の12日間】

 私は、この選挙期間中、18県を訪問しました。1県で1選挙区のみ
の場合もあれば、3〜5の選挙区を回った場合もあります。1県1選挙
区の場合は、個人演説会で応援演説を行いました。選挙事務所訪問
のみで候補者にお会いできない場合もありましたが、その場合は当
該選挙区のJAに対し、お願いの挨拶を行いました。

 事前に応援の依頼をいただいた場合が多かったのですが、当方か
ら押しかけた場合もあります。それは、これまでの党内の活動で、
交誼があった大事な議員であったり、今後の課題で、私の方からご
支援を頂かなければならない先輩議員であったり、これから一緒に
活動するなかで、応援を期待してのところもありました。これは、
ひとえに、選挙後に生ずるJA改革等の取り組みに関わる問題です。

 ところで、今後の安倍内閣の政策推進において、JA改革等がど
う扱われるのか。私にとって、これが最大の焦点です。今回の選挙
の大勝で、成長戦略の具体化としてのJA改革が信認されたとし、
選挙前に総理が発言していたように、「60年ぶりのJA改革に取り
組む」「単なる看板の掛け替えに終わらせない」という発言を何が
何でも強行するのか。それとも、党が総務会での激しい議論の末に
まとめた「農協改革(中央会制度など)等については、本年6月に
与党で取りまとめた『農協・農業委員会等に関する改革の推進につ
いて』に基づき、議論を深め、着実に推進します」という方向で進
めるのか、どちらなのか、ということです。当然のことですが、総
理の思いはともかく、与党の公約に基づき「議論を深める」という
ことで進められるべきです。


【成長戦略に位置づけられたJA改革にどう取り組むか】

 確かに選挙の結果は、安倍総理のアベノミクスによる景気回復へ
の評価と期待が大きかったのは間違いありません。その意味で、安
倍政権へのさらなる期待があります。総理は、15日の記者会見で、
「農業・医療・エネルギーといった分野で大胆な規制改革を断行す
る。国民の皆様からいただいた力強いご支援を胸に刻み、この道を
ぶれることなくしっかりとまっすぐに進んでいく」と応答されてい
ましたが、しかし、それは、強権的なものではだめだと思います。

 農業について、自由化・市場主義に流されるままで、経営困難時
に十分なセーフティネットが準備されないままでは、崩壊につなが
るのは必至ですし、TPPについても、また企業の農業参入について
も、「既得権益の岩盤だ」というような観点で政策を進めるのでは、
たまったものではありません。現場の農業の実態や、JA等の取り
組みの苦労を踏まえたうえで、「ともに改革する」という進め方こ
そが必要です。本来、農業の実態をよく承知し、歴史も、その改革
の難しさも承知している役所の関係者が、規制改革会議や産業競争
力会議や官邸等に遠慮した動きになっているのでは、いい改革もで
きないのだと思います。経済界の関係者が感覚的に出した方向に対
して、これまでの政策推進の経緯や実態を踏まえて適切な判断と助
言を行うべき農水省の官僚が、これを行わない。企業の農地所有に
よる参入についても、これまでの長い歴史や先輩たちの苦労を踏ま
えずに時代に流されるなら、混乱を増すだけだし、歴史に汚点を残
すことにもなります。

 今回の選挙で当選してきた議員は、地方の実情をしっかり受け止
めてきているのですから、こうした議員の発言や考えを官邸が謙虚
に受け止めなければならないのだと思います。確かに安倍総理の戦
略はすごい。そうした中で、米価・TPP・JA等の政策について、
多くの不安を抱え、だからこそ応援してきた農業者やJAの関係者
の努力や期待を裏切ってはいけないのです。


【1年半後の参議院選挙を考えねばならない】
 
 最後に、米価の低迷を安易に受け止めてはならないのだと思いま
す。早急に、党の取りまとめの具体化を図るべきです。選挙前の党
の決定にもかかわらず、役所が産業競争力会議や規制改革会議の主
張と、それを支える官邸等の動きに萎縮して、具体策の作成に動か
ないということになると、それは、党の決定に期待して投票した農
業者を裏切るものですし、党の決定を説明してきた議員への信頼も
失わせることになります。

 これでは、4か月後の統一地方選や、1年半後の参議院選挙が大変
なことになりかねません。9年前の郵政選挙で大勝し、その2年後の
参議院選挙で大敗し、衆参ねじれが生じ、国会運営上問題が生ずる
と、その都度参議院で問責決議が可決され、総理交代、そして解散、
そして政権交代へと続いた歴史から、学ばなければなりません。


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