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***山田としお メールマガジン No.028***
2007年3月28日発行
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平成の市町村合併とJA
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全国各地のJAを訪ねるなかで、平成の市町村合併で、広域合併JA
内の一部自治体が、隣のJA内の自治体に合併したため、JAとしては
複雑な調整を迫られるという事例が多く生じてきています。
私のふるさとのJAもそうです。隣町のJAと広域合併していました
が、隣町が他の市と合併したため、これまでの連携が保てるかどう
か心配しています。一方、合併した市は、これまで1市1JAで緊密な
連携をとっていましたが、今度からは、同一市内に2JAを抱えること
になりました。
JAの広域合併は、もともと複数の市町村と連携してきていたのだ
から、こうした事態にうまく対応してきていたともいえますが、よ
り複雑な対応が迫られることになります。農業政策は、そのおかれ
た地域の実態に応じて多様であるため、広域合併JAは、自治体の農
業政策の重点の置き方で異なる政策を抱えることになる
からです。
もちろん、幸運なJAもあり、私が訪ねた大分県のJAぶんご大野の場
合は、広域合併していた地域がそのまま新しい自治体として発足し
たところもあります。
JAサイドに主体的な力量があれば、JAの農業政策として複数の自
治体に対応できますが、JAの体制が弱いと混乱します。ちなみに、
ある県の例ですが、今年度から始まる農業者・農業団体の自主的・
主体的な生産調整の取り組みと関連して、合併したJAの町が、生産
調整への関与を徹底して拒否しているために、広域合併JA全体の足
並みがそろわず苦労していることを聞かされました。
心配なのは、このことを契機にして、JAと自治体の関係が希薄化
し、JAが農業政策の推進を弱めてしまうことです。
また、こうしたことを契機に、一部の学者等がJA攻撃のひとつと
して主張しているJAの地域設定撤廃の議論を触発しかねないことで
す。JAの地域設定が無くなれば、地域を単位とした組合員農家の協
同活動はどう位置づけられるのか。農業者である正組合員は地域設
定が無くても正組合員ですが、地域に住所を有し当該JAを利用する
ことが適当である准組合員はどう位置づけられるのでしょうか。
地域を設定しないJAは、JA同士間で組合員が相互に入り組んだ関
係で競争することになるのか。それとも組合員は1JAへの加盟を原則
とするのか、それはできないだろう。また好きな人だけで、自由に
JAをつくることもでてこよう。
ともかく、JA組織の基本問題として様々な議論を呼ぶことになり
ます。実際的には、制度上地域設定が無くなれば、JAが自主的に地
域を設定することになるかもしれません。いずれにしろ、これまで
のJAの性格と大きく異なることになるでしょう。
地方分権が叫ばれ、その具体化がはかられようとするなかで、自
治体との連携をどうすすめるか。問題が出てくる前に、JAとして主
体的に検討し、体制整備をすすめていく必要があります。
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